karatさん(日本人)のマトリョーシカです。
優しい色遣い、穏やかなお顔でなごみます。
karatさんのマトリョーシカの線は、ウッドバーニングという方法で線が描かれています。
『ロシアのマトリョーシカ』より、1890年代末、S.Vマリューチン絵 |
ウッドバーニングは、もともとは火の中でプラチナの針を熱して、それで細い線を描く方法が使われました。いまはほとんど(もしかして、すべて?)の作家さんや職人さんたちが、電気ごてを使っているようです。
でも人によって、こての形や使い方、温度などが違うのでしょうか?
できあがった雰囲気は、一様ではありません。
オリガ・ズベレワさんの細い線は、優しくて淡い感じです。どれが焼いた線で、どれが描いた線か、見分けがつかないほどです。
ブラウスの模様の点々も焼きごてを使ってあります。これはスタンプのようなものでしょうか。
karatさんの焼きごての線は細いけれどくっきりしています。
そして、アンナ・リャボヴァさんの焼きごての線は、太くてごつごつした点線です。
上の二つに比べると、野生的な感じです。
よくは知りませんが、焼きごてを高温にして当てると、すぐ焦げて太くなるようです。そうやっているのでしょうか?
かなり、でこぼこにもなっています。
『ロシアのマトリョーシカ』より、2010年、アンナ・リャボヴァ作 |
もっとも、リャボヴァさんのマトリョーシカにも、おとなしげな線のものもあります。
これは2010年の作品ですが、こちらの方が気合を入れてつくったのか、それとも年々ワイルドになって行っているのか、そのあたりは不明です。
これは、ちょっと古いマトリョーシカで、お顔などはウッドバーニングの手法では描かれていませんが、プラトーク(マフラー)、エプロン、サラファンの裾などののレース飾りなどだけ、ウッドバーニングされています。
『ロシアのマトリョーシカ』より、1925年、V.Iソコローフ作 |
今では、ウッドバーニングはむしろ少数派でしょうか。
プラトークの模様もすべてウッドバーニングで描かれているマトリョーシカ、線が全部引っこんでいて、手触りがとてもよさそうです。
2 件のコメント:
おはようございます。ありがとうございます(^^;)。
私も電熱ペンでやっていますが、(高温が保てて温度調節が効くものに途中から変えましたが)、どうしても木目(年輪のすじ)が硬いのでペンがそこに引っかかり、スピードが変わるので凸凹というか線の濃淡がでます…。
なるべくスピードを変えないようにゆっくりそっと描きますが。
リャボバさんのはそれを逆手に取ったみたいで、効果を出していて、スケッチ風な感じで面白いですね。
最後の写真のものはその凸凹の濃淡が一切見られなくて、そちらの方が不思議です。どんな道具だったのだろう?…と思います。
材の木にもよるのかと思いますが。
karatさん
最後のマトリョーシカは、好みというわけではないのだけれど、手触りはよさそうです(笑)。本にはウッドバーニングは「プラチナの針で描いた」とあるのですが、それだと細い線でしょうね。これは鉄の釘のようなもので描いたとしか思われません。
以前写真を見たことがありますが、世界から見つかったプラチナの総量は確か1立法メートルくらい、たったこれだけかとびっくりしたことがあります。としたら、旧ロシアにそんなに太いのがあったわけない(笑)。やっぱり鉄かなんて思いました。
そうか、何度もなぞったりする代物でもないのですね。私なら何度やっても失敗しそうです(笑)。
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