2015年7月13日月曜日

シグラ、エクアドルのバスケット


新しいタオルを出そうと、未使用のタオルを入れてある引き出しを開けたら、しばらく行方知れずになっていた、エクアドルのシグラが出てきました。
こんなところに、しまい込んであったのです。

いっとき、中南米の手工芸品を売っているお店に行くたびに、シグラをさがしていたことがありました。30年以上前のことです。
そんなにさがした理由は、おもには気に入ったものは値段が高過ぎたというものでしたが、ほかにも、大き過ぎる、小さすぎる、紐のつき方が気に入らない、編み目が波打っている、色遣いが好きじゃない、模様のバランスがちょっと、などなどで、このシグラに出逢うまで、いくつ見たか数え切れないほどでした。


シグラは、中南米に自生するマゲイ(エクアドルではカブヤ、リュウゼツラン科、サイザル)の繊維からつくられています。

 
細い細い繊維を絡め編み(からめあみ)にしてあります。
もともとは、水を運んだり、食料を貯蔵したりするのに使われました。カブヤの繊維は水を含むと膨張して、こぼれないという特性があったのです。


絡め編みは力の要る手仕事で、男の人が編みました。


ずいぶんさがし回って、やっと手に入れたシグラでしたが、あまり持ち歩くことはありませんでした。
バッグとして使うには、口が大きく開いていて不安定なこと、紐が細くて、肩に喰い込んで重さを感じることなどから、たぶん数回使っただけでした。

今では、エクアドルで、ビニール袋などに押されてシグラをつくれる人が少なくなったと聞きます。
お土産ものとしても、太い繊維で荒く編んだカブヤのバッグが、細々とつくられているだけのようです。






6 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

ここ数年ケニアのトート型サイザルバッグは人気で、夏になるとナチュラルファッション系の服や雑貨のお店には必ず並んでいます。ただし単色でエスニック調ではありません。私もかわいいな~と思いつつ、ちょっと持ち手がチクチクしそうと何年も迷い中(笑)。今回のシグラの紹介で、あのサイザルバッグがリュウゼツラン科の植物の繊維からできていることを初めて知りました!

さんのコメント...

hiyocoさん
ケニアのサイザルバッグ、1980年代には、ナイロビ帰りしか持っていない、貴重な、垂涎ものでした(笑)。今では、持ち手も革で包んだものとか、より取りみ取りです(http://www.african-sq.co.jp/detail/bag110716/)。
日本でも、白い花の咲くリュウゼツランはよく見かけますね。あの葉の繊維です。だから、エチオピアだったか、リュウゼツランの畑を初めて見たときには、「ああ、これがサイザルか」とすぐわかりました。リュウゼツランは、アフリカにも中南米にもたくさん種類があるようで、繊維が固くてちくちくするのもあれば、滑らかなのもあるのでしょうね。繊維の採り方にもよるのだと思います。
といいつつ、私もサイザルバッグは持っているのですが固くて使っていません。そのかわりバナナのバッグ(http://calamel.jp/go/item/89733732)を冬でも使っています。適度にふにゃふにゃしているので、痛くないです。

kuskus さんのコメント...

このバック、シグラっていうんですか。
私もすごく昔に買って、夏に時々ひっぱりだしては使っているんですが
ずーっとメキシコのものだと思ってました。
きっちりとからめて編んであるので、こんなふうに表面が波打ってるんですね。
春さんのブログを見て、久しぶりに取り出してみたら案の定中に泥蜂がトックリを
作っていました(涙)。
そこで水道の下でゴシゴシ洗って、ためしに持ち上げてみたら
水はちっともたまらずジャージャーこぼれちゃいました。
水を入れるには、しばらく繊維をふやかして編み目のすきまがなくなるまで
待つのでしょうかね?
そういえば、「大地の子エイラ」という先史時代の大陸が舞台の物語を読んだ時、
編んだカゴで煮炊きをしている場面があって、水がもらないのかなぁと
思ってましたが、なんとなく謎が解けたました。

さんのコメント...

kuskusさん
kuskusさんもシグラを持っていたのですね♪昔は中南米雑貨店でよく見かけました。大小、いろんなのがありましたね。息子が近くに住んでいるので、渋谷の「チチカカ」の前を通るたびにのぞいていましたが、最近は「無国籍になった衣類」がほとんど、つまらないなぁと思っていたら、数年前に店はつぶれてしまいました(笑)。手仕事は世界中から消えているようです。
本当にドロバチ達には、油断も隙もありません。私も今日暑くなったので久しぶりに窓を開けたら、ざぁーっと土の塊の雨が降りました。シグラはきれいになりましたか?
お水、漏ったって?(笑)。繊維の選び方とか、使わないときもいつも水に浸しておくとか、なにか方法があったのでしょうね。カンボジアの水汲み桶のように、樹脂を塗って防水してあると、「なるほど」と思いますが、ただ編んで水を入れるなんて、「えぇぇ」と思ってしまいます。漏らないことは、きっと偶然に見つけたのでしょうね。
しかし、籠のお鍋は想像を絶します。火と水の両方ですから。昔の人の知恵は、おもしろいですね。

kuskus さんのコメント...

水を入れておけば紙の容器を火にかけても燃えない、というのは
アウトドアかなんかの本で読んだことがあったけれど、
編んだカゴはいくらキツく編んでも水が漏るだろう。。。と
思っていました。
でも、乾いた繊維で編んで、ぬらして目を詰まらせるというのは
ガッテンでした。
シグラは裏返して干しておいたら、裏は色もあせてなくて新品同様。
この夏は裏返して使います。(笑)

さんのコメント...

kuskusさん
もう電車に乗ったりしないから、私も使ってもいいんだけれど、やっぱりバッグを変えたりすると、積み残しがあるので(笑)、変わり映えのしないいつものバッグに落ち着いてしまいます。
今度、機会があったらシグラを見せてくださいね。もしかして、人と動物の模様だったりして。そんなのが欲しかったなぁ(欲張り!)。
あと、ラテン雑貨屋でいつも目が行ったのはメキシコの木彫りの動物。でも大きくて見事なのはとっても高くて、手が出ませんでした。まあ、どうせ私のことだから、買ったとしたら色を褪せさせて、魅力半減しただろうから、なくて正解だったかも。今つくられているものは、ちんまりしています。