2017年4月5日水曜日

からむし?


骨董市で、なじみの骨董屋、水屋さんから買った植物繊維です。
彼とは、もう十年以上の知り合いなのに名前を知りません。いつまでも名無しの権兵衛では具合が悪い、水屋を買ったのが縁で知り合ったので、勝手に水屋さんと名づけさせてもらいました。
以前、店頭で値段を聞いたら、
「あれ、母ちゃんどこ行った?これは母ちゃんのだからわからないなぁ、1000円かな」
と言われて、
「そんなにするんだ。じゃぁ、いいや」
と買わなかったものです。
次に会ったとき、
「あの麻糸は売れた?」
と訊いたら、
「今日は持ってこなかったよ」
と言われました。
そしてまた次に、
「今日は持ってきたよ。500円でいいよ」
と言われて買ったものです。

植物を育てて、これだけの繊維をとるのは、どんなにたいへんなことか。
知っているだけに、値切ってしまって、水屋さんにはともかく、繊維さんに悪かったかしら、と思いながら、ありがたくいただいてきたものです。
店先にいたお客さんが、
「俺もそれ、気になっていたんだ。シナかなぁ?」
と言うので、
「いや、からむしでしょう」
と答えたものの、あてずっぽう、まったくわかりません。


家に帰って、以前Kさんからいただいたからむしと比べてみました。
よく似ています。


では、麻はどうか?
これもKさんにいただいた、鹿沼の大麻ですが、色では識別できません。手触りではちょっと麻の方がごわっとした感じがありますが、先日観た映画では、麻をしなやかにするためにたくさんの手順を踏んでいたし、麻の育て方によってもしなやかさが違うだろうし、柔らかいからからむし、硬いから麻と断定するわけにはいきません。


こちらは、もったいなくて開いていないので、柔らかさが指先で調べられません。


以前東京のシルクラブで買った、『葛布の話』という冊子についていた葛の繊維、これは色が違いますが、色だけで決められるのだろうか?

いずれにしろ、この週末の二日間、八郷暮らしの実験室のワークショップ、「手仕事ワークショップ2017 植物の繊維から糸を作る」に参加するので、訊いてみようと思っています。
講師は、今でもからむしの布をつくっている昭和村が、後継者を絶やすまいと募集した、「からむし織姫講座」に参加し、以後も村にとどまって、からむしの布をつくることを生業としているTさんなので、この繊維がからむしか麻か、たちどころに判明すると思います。
いまから、わくわくしています。
 





4 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

シルクラブのリンク先でシナの糸が出てきましたが、シナという木の名前だったのですね!今の中古の家に入居の際、リビングダイニングの壁にシナベニヤを重ね貼りしてもらいましたが、支那のベニヤだと思っていました!日本の木だったとはー(笑)。

さんのコメント...

hiyocoさん
植物繊維の展示に惹かれてシルクラブに行ってみましたが、別世界でした。
沖縄に行ってもなかなか見られない、芭蕉布の上等の着物などが飾ってあって、それを畳の広い部屋で試着している人がちらほらいました。あんな、一着数百万円もする着物を、ぽんと買う人もいるのですね。しかも、みなさん若い方でした。
普段着で行った私、場違いだとつまみ出されないだけよかった(笑)、植物繊維の写真を撮らせて欲しいとお願いしたら、そこだけと言われて、たしか見張りの人もつきました。
シナベニヤ、高いけどきれいですよね。シナの繊維も、それはそれはきれいですよ。と言っても、麻やからむしと見分けがついてないのですが(笑)。

kuskus さんのコメント...

この植物繊維の束を見て思い出したのが、祖父母の家の納戸の中。
納戸の中には様々な常備品があって、壁にはこういう麻の繊維の束が掛けられて
いました。
下駄の鼻緒が切れた時の修理に使ったり、何かヒモが必要な時には
サッと手のひらでこよって使ったりしてましたね。
からむしは特定の産地だけのものかとずっと思っていましたが、このあたりで
普通に生えてる背の高い雑草がからむしと知ってびっくりでした。
高級な上布に使う糸をつくる過程は想像もつきませんが、昔は荒っぽい繊維を
いろいろ普段に使っていたのでしょうね.。

さんのコメント...

kuskusさん
私は、どちらかと言えば西の方で育って、学生時代に初めて東京より東とか北に行ったので、からむしなどの植物繊維については全く知りませんでした。
だから、麻の繊維の束なんて、家庭で見たことがありません。でも、履物屋さんで下駄の鼻緒をすげ替えるときは、もう既製品になっていたのですが、麻の紐がついていましたね。
紐が必要な時は、稲わらの縄、でなかったら、あまり強くはないけれどイグサを綯った紐をつくっていたかしらねぇ。
上布はすごいですね。そして、最近はそれを学ぼうとしている人たちが出てきたのは心強いことですが、十代から身体に染みつかせるようにやって来たお年寄りのようには、なかなかいかないでしょうね。いろいろな誘惑もあるし。
土日と、苧績みを教えてもらうので、楽しみです(^^♪