湿気た本が、上に乗せた本に押しつぶされたり、みんなで斜め倒しになったりして、変形した本も、少なくありません。
それにしてもこれはひどい、本箱にきっちり詰めて「押し」をかけたくらいでは、曲がったのが伸びそうにありません。第一、本棚にもおとなしく並べられないでしょう。
この本は、『VILLAGE PLANNING IN THE PRIMITIVE WORLD』(DOUGLAS FRASER著、コロンビア大学、1968年)、「計画と町」というシリーズの中の一冊です。
かろうじて大丈夫だった、シリーズのほかの本たちです。
シリーズには、古代の町、中世の町、ルネッサンスの町などあるのですが、中でも一番面白かったのが、このひん曲がってしまった「未開の集落」でした。
アメリカで手に入れたのですが、何せその前にガーナやオートボルタ(今のブルギナファソ)で、いろいろな家や集落を実際に見たので、関心もひとしおだったというわけです。本がダメになって、がっかりでした。
捨てる以外ないけれど、替わりはないかしらとふと思いつき、Amazonで探したら、素晴らしいというかなんというか、あっというまに見つかりました。すごい時代です。
しかもこれが二、三年前だったら、アメリカのAmazonに注文して、高い送料を払わなくてはならなかったのですが、今では、本がアメリカから送られてくるにもかかわらず、日本国内と同じ送料しか、かからないのです。
というわけで、注文していたのが届きました。
これまで持っていたのはソフトカバーでしたが、今度はハードカバーです。なにせちょうど半世紀前の本ですから、ちょっと傷んでいてかび臭い。でも大満足です。
おまけに、日本語訳が出ていたので、それも買ってみました。
ローデシア(今のジンバブエ) |
アフリカ、東南アジア、オセアニア、アメリカなどの集落が紹介されていますが、どこの集落も面白い。でも、やっぱりアフリカの家は面白い。最高です。
インドネシア、スマトラ島の集落 |
スマトラの村はがっちりと、周囲を固めています。
たぶん、男性は同じ村の女性とは結婚できず、命がけで別の部落から花嫁を奪ってこなくてはならなかった、しかも同じ部落の女性を、なんとしても他の部落の男性に奪われるのを阻止しなくてはならなかった、そんな時代の集落なのでしょう。
家の形から、生活が見えてきます。
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