2023年12月3日日曜日

山桜の樹皮をふんだんに使った箕

晴れてはいるけれど寒い今朝、近所の骨董市に行きました。


ガラス骨董のわじまさんの店には、ガラスでもないものも並んでいます。


染料ビンはありませんでしたが、3つばかり重ねてある籠の、2番目が箕でした。丸い籠を持ち上げてみると、それはありきたりの竹の箕で、サイズも小さいので欲しくない、ところがその箕を持ち上げてみると、その下には、すず竹と桜の皮でできた美しい箕がありました。


きれいなままで、壊れたところもありません。
小さいので、実用の箕としてつくられたかどうかは疑わしいところですが、値段を訊くと、
「500円」
と、わじまさんから素敵な答えが返ってきました。


桜の皮は一部ではなく全体に使われていて、裏には補強材を差すという、丁寧なつくりです。


ただ、縁が縄で巻いてあって、その縄も密ではないのが、ほかの場所の丁寧さと比べて、不思議と言えば不思議ですが、もしかすると、使い手が自分で修理しやすいようにつくってあるのかもしれません。
縄の材料は何でしょう? シナノキでしょうか? 簡単に切れそうにはありません。


産地は北の方には違いありませんが、どこでつくられたものかわかりません。

今日は12月3日。「箕研究会」の方たちの定めた箕の日。勝手に協賛でした。





 

4 件のコメント:

あまよかしむ さんのコメント...

宮城県の宮床箕と思われます。腕巻きは最近は市販の麻縄を使っていると聞きます。

さんのコメント...

あまよかしむさん
教えていただいてありがとうございます。岩手県の面岸箕、秋田県の太平箕と並んで、東北を代表する美しい箕、宮床箕だったのですね。嬉しいです。
縁は面岸箕などと比べると疎には巻いていますが、縄自体は美しいものです(^^♪

あまよかしむ さんのコメント...

笹を使った箕の腕巻きが粗いのは、ササヒゴを腕木にかませて補強するからと思われます。
面岸や太平の箕では、横方向に飛び出た材を、かなりたくさん切り落としてしまい、巻き材で腕木をびっちりと巻きますが、笹を使った箕の場合、飛び出た竹を腕木に沿わせて倒し、細い材で組むように巻いていきます。腕木が外れにくく、頑丈になります。
多くの産地では巻き材とササひごの組み方が規則的に決まっており、美しい組模様になっています。
笹を使うところでびっちり腕木を巻くのは、論田熊無の箕や、戸隠のネマガリ竹の箕がありますが。
びっちりと巻けるような柔軟な材があるかどうかも関係してくるのかもしれません。
ところで、箕のことでお願いがあり、FBのメッセンジャーにご連絡しました。
読んでいただけるとうれしいです!

さんのコメント...

あまよかしむさん
ありがとうございます。腕巻きという言葉も知らなかったのですが、笹と竹など素材の違いによってその違いを生かした巻き方があったのですね。なるほどです。
籠一般に関しての好き嫌いと言えば、生け花に使われる芸術的なつくりのものとか繊細過ぎる籠などは好きになれないのですが、箕のような農具であれば、繊細であるものに美しさを感じてしまいます。
太いひごでわしわしと編んだもの、とくに箕先に向かって外へと開かず、三角ではなく四角い印象のある箕はどうも好きになれず(笑)、したがって取り上げてもきませんでした。
独断や偏見で箕を語っていますが、ご容赦を。これからもよろしくお願いします。