2011年4月22日金曜日
人形と遊ぶ 二
汚れたり、傷んだりした人形の修理が、遅々として進んでいます。
最初のうち、人形の着物を縫うことは、苦痛以外の何ものでもありませんでした。しかし、形になっていくにしたがって、だんだん楽しめるようになりました。
そして、合理的な縫い方を編み出してきた先達たちに舌を巻いています。着物を縫うのは、見た目よりはずっと易しく、そして丈夫に縫えるのですから。
糸は、大叔母の裁縫箱を、母から譲り受けたときに、その中に入っていた糸を使っています。
昼間は土いじりや大工工事をしているので、手が荒れていて、うっかりしていると、絹糸が手に引っかかってしまいます。
細い針は、二本だけ裁縫箱に残っていたのですが、縫うときの力の入れ方が悪く、両方とも折ってしまったので、しかたなくネットで、縫うための短い針と、くけるための長い針を買いました。
細い、細い、針の穴も見えないくらい細い針です。
とうとう、三つ折れ人形の女の子の長襦袢が縫いあがりました。
着物は祖母の羽織り裏でしたが、長襦袢は母の長襦袢だった布です。
着せてみると、まあまあです。「可」くらいでしょうか。
というのも、普通、人形の着物は、着物とその下に着る下着、そして長襦袢の三枚がセットになっているようなのです。ところが、下着は仕立てていません。
着物と長襦袢の二枚だけなので、振袖の振りのあたりがなんとなく寂しく、おまけにもとから身につけていた、長さの違う肌襦袢の袖が、振りの間から見えてしまうので、あまり姿がよくないのです。
また、袖を短くつくりすぎたので、幼児用の着物にはつきものの、肩上げもできませんでした。
帯は、ちりめんの布を縫ったものですが、気に入っています。
当分はこれで勘弁してもらいます。
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