牛が土鈴なら、馬は絵馬でしょうか。
奈良県の手向山の絵馬は、板馬とも呼ばれています。
昔、降雨を祈るときは黒馬を、晴天を祈るときには白馬を奉納する習慣があり、生きた馬の奉納の習慣は、台馬となり、さらに絵馬となりました。
この絵馬は、そんな古い習俗を伝えるものの名残りで、神に献ずる装いを凝らした黒馬を表しています。
手向山には、その板馬を土鈴にした絵馬鈴もあります。
どちらも、色といい形といい、斬新でとっても洗練されています。
板馬といえば、地元茨城県の東海村にも村松の真弓馬があります。
村松山虚空蔵では、旧暦三月十三日の縁日に、古くから社前で絵馬(板馬)が売られていました。縁日は十三詣でと言われ、十三歳の男女児が参詣して絵馬をもとめ、神棚に飾るとと知恵を授かるとされていましたが、豊作の祈りが込められたものでした。
村松の真弓馬は、手向山の絵馬より、農村ぽいというか、野趣に富んでいるのがおもしろいところです。
今は原子力発電所や火力発電所で有名な東海村ですが、かつては、のどかな農村が広がっていました。
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