馬の土人形には、誰かが馬に乗っているモチーフがいろいろあります。
馬乗り狐は、
名古屋土人形です。
1964 年発行の『日本郷土玩具事典』(岩崎美術社)のよると、名古屋土人形は、「彩色に強い光沢をつけているのが特徴で、大型のものにおもしろいものがある」と ありますが、私の訪ねた1970年代の終りには、人形はみな小さく、彩色には光沢がないものだったように記憶しています。
馬乗り猿は、長崎の古賀人形です。
外国文化の最先端であった長崎でつくられただけあって、古賀人形には、鉄砲を持った海軍大官のおらんださん、南京ちゃぼを抱いた中国人の阿茶さんなど、エキゾチックなモチーフの土人形が数々あります。
この馬乗り猿も、中国の伝説を人形にしたもので、別名、童馬心猿とも呼ばれているそうです。
猿もですが、馬がいい顔をしています。
馬乗り兵隊さんは、秋田の八橋人形ではなかったかと思います。もしかしたら違うかもしれません。
兵隊さんも馬ものどかです。馬が赤いのは、疱瘡除けだったのでしょうか。
こちらの加藤清正公、いったいどこの人形だったか、はっきりと思い出せません。
秋田の中山人形の可能性が高いのですが、湿気させたとはいえ、「中山人形がこんなふうに絵の具落ちするかなあ」と、疑問に思ったりします。
でも、顔を見ると、
樋渡義一さんの作であるような、よいお顔をしていらっしゃいます。
彩色、とくに顔の表情で、土人形は上品にも下品にも、安っぽくも格調高くもなるのも、おもしろいところです。
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