どんぐりのはかまを使った子守り人形です。
頭の髷がぱかっとはがれて地肌が白く見え、顔の上に髷がぶら下がっているという悲惨な状態でしたが、髷が失せていなくてよかった、接着剤で簡単に直りました。
いづめこ人形は布だけでできていますが、この女の子のお顔は、胡粉で仕上げてあります。
どんぐりを使うと、布の端の始末がしやすいのでしょうか。それとも「何でもどんぐりを使ってつくる」とこだわった人がつくったのでしょうか。
いづめ子でもなく、一寸法師のお椀の舟でもないけれど、どんぐりの足元が違和感なく見られます。
この子は、「松屋撰 」と書かれた箱に入っていました。ネットでときおり見かけるどんぐり人形はたいてい松屋製のようです。
ネットで確か、13円とか30円と言う値段が台に貼ってあるどんぐり人形を見たことがありますから、戦後、1950年代のものに思えます。
箱のボール紙はあまり見たことがないもの、昔の落とし紙のように、赤や青の点が散らばっています。印刷物を溶かして、漂白したりせず、そのまま固めてつくったので色が残っているのです。
昔の落とし紙には色だけでなく、ときに活字なども残っていました。
おんぶされた赤ちゃんの帽子も、小さなどんぐりのはかまでできています。女の子の髪の毛に隠れて見えませんが、赤ちゃんは素っ頓狂なかわいい顔をしています。
子守りといえば、赤ちゃんの顔に髪がかかってしまわないよう、髪をまとめたり、手ぬぐいでくるんだりするのがあたりまえでした。
この女の子の髪は赤ん坊の顔にかかってしまっていますが、リリアンで鉢巻きをした同じような子守り人形を見たことがありますから、鉢巻きがとれてしまったものかもしれません。
2 件のコメント:
可愛い!!うちにも同じ子がいますが、春さんのとこの子ほどおすまし顔ではなく、もうちょっととぼけた表情をしてます。
なんで敢えてどんぐりなのか、可愛ければ造形の理由なんてどうでもよくなるから不思議です。「いとちいさきもの、なにもなにも皆うつくし」小さいものの特権。同じデザインでも、ヤシの実やダチョウの卵の殻に人形の上半身が突き出ててもちっとも可愛くないでしょうね(笑)
我が家の厠は未だに水洗ではないので、昔からの四角い落とし紙です。ざっと漂白はされていますが、活字の切れ端、時々見かけますよ(笑)
topcatさん
この子守り人形は愛されたようで、ときおり目にします。どんぐりのはかまはもうねんねこの下の着物といった風情で、違和感がないところが、おかしいです。この子も、けっこうなとぼけ顔ですよ(笑)。
確かに小さいものは愛でてやまないのですが、すぐ姿を隠してしまうのが欠点です(自分が悪いだけですが)。昔からいたどんぐり人形二体は、お雛さまと一緒に仕舞ったかと期待していたのですが、飾ってみても出てきませんでした(涙)。
ダチョウの卵人形?そんなの想像するだに恐ろしいです。いずめこで野球ボール大の顔がついていたりして(笑)。
活字入りの落とし紙、まだまだ現役なのですね。ずっと昔に消えてしまったと思っていました。
もしかして、手を洗うのは手水鉢?ぶら下げたものの下を押すと水が出てくるやつ?どちらも懐かしいですが、祖母の家のは手水鉢でした。
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