その本を見返すと、ジグソーパズルのようにピタッと腑に落ちて、
「そうだったのか」
と合点することもありますが、同じくらい腑に落ちないこともあるので、見飽きません。
どう腑に落ちないかと言うと、例えばセミョーノフのマトリョーシカ、花の描き方(だけではありませんが)で1950年代、60年代、70年代、80年代などと分類してあるのですが、どう見比べても違いがわからなかったりします。
また、
「これは入れ子の数が多いから古いものだ」
と書いてあるそばから、本の中ではもっとも入れ子が多いものが、比較的新しい1970年代とされているので、頭はこんがらがった上にもこんがらがってきます。
まあ、私にマトリョーシカを見る目がないということだし、スタンプとか他の決め手もあるのだろうと、すっきりしないまま納得しますが、辞書のようなこの本を目の前にしても、わからなかったりするのですから、この本がない道上さんの調べた道が、どんなに長くてたいへんだったか、察するに余りあります。
これまで、気に入ってさえいればよかった自分のマトリョーシカですが、この本を見ていると、
「いったいこれは、どこでつくられたものかしら?」
と、俄然関心がわいてきて、本とつき合わせてみたくなります。
ところがそれも、わかってすっきりするものもありますが、そうでないものもあるのです。
たとえばこの娘たち、マトリョーシカの大産地セルギエフ・パサードのものと、ちょっと似たところがあります。
ところが比べてみると、表情、サラファンの形、サラファンの模様など、全体的に違うのがわかります。
水玉模様は古いと本にありますが、そう古そうでもありません。
手も違います。
もっとも反対側の手はどちらのマトリョーシカもも降ろしているので、そう変わりません。
もしかすると、セルギエフ・パサードから東北東へ100キロ行くという、カリーニンのマトリョーシカかと、本に載っているカリーニンのマトリョーシカたちと比べてみますが、よくわかりません。
これも身元不明です。
手はキーロフのマトリョーシカと似たところがあります。
かといって、キーロフのマトリョーシカだとする決め手はありません。
わからないのは、わかる楽しみが先に待っているということでしょうか?
4 件のコメント:
こんにちは。
この本、自分のブログで紹介しておいて、ほとんど読んでないというか、写真を眺めて感心してただけというか…(^^;)。
ところで、上の子たちは全員「気を付け」の感じがカリーニンを思い出させますが、カリーニンはウッドバーニングのものが多いって書いてあるし、模様が同じじゃないですね。縦模様が珍しいです。
「生産地が不定なもの」の最後のページ(142ページ)のにも似てますが、顔の感じが違いますしね…。本の方が新しい感じ。
あー、自分は全く感覚的にしか見てないというか学究的でないというか、いい加減…ということを再確認しました…。(--)
karatさん
半角文字と言うのは、意外に読みづらいものですね。私も学究的ではないのですが、「大量生産時代になって、入れ子の数も減ってくる」と言うのを読んで、「そうかぁ」と納得していると、古いものの数が少なかったり、どど~んと並んでいるのが新しかったり、戸惑います(笑)。
きっとご本人は納得していると思うのですが、「これは例外だけど」と一寸断ってあれば、わかりやすいなと思いました。もっとも、コレクションの圧巻は古いものですが、それは端から諦めているので(笑)、ついついちょい古のビンテージの見分け方なんかにこだわっているのかもしれません。
でもソ連の代表的な輸出品が、量産体制になっても手仕事だったということに、改めて感動しています。
こんにちは。今日、実家に行きました。再会してきました。10人姉妹でした。48年前のお土産です。手が赤いスカーフの女の子と一緒みたいです。帰宅しましたら、FBに写真を送らせていただきたいと思います。
よこやませつこさん
すごい!すごい!半世紀たって、嬉しさが蘇る、お父上は素敵な贈り物をなさいましたね。写真を楽しみに待っています。
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