2016年1月30日土曜日

メキシコの降誕人形


久々に、ヤフーオークションに参入してしまいました。
さっさと寝てしまって、終了時間まで見ていなかったのに落札できてよかった。メキシコの土でできた、小さな小さな降誕人形です。
生まれたばかりのキリストだけが、やけに大きくて、まるで背泳ぎの選手が紛れ込んだようですが。


賢そうな羊たちは、長さが18ミリほどです。


牛と馬は手足が面白い。
 

複雑に折り曲げられています。


聖母マリアとヨゼフ。


東方の三賢者たち。


お揃いのコートを羽織って、贈り物を携えています。


この男性は、オークションの説明写真では、どの写真でも仰向けに寝転がって、台の底を見せていました。
何か致命的な欠陥があって立たないのかもしれないと覚悟していましたが、届いてみたら、なぁんだ足首の針金が曲がっていただけ、ちょっと戻したら簡単に立ちました。
エジプトあたりの人みたいで、横姿もりりしく、贈り物も大きく、素敵な土人形でした。この中では一番背が高くて、33ミリあります。


手を合わせて祈る天使。


アメリカのボストン郊外の町ケンブリッジに住んでいたころ、プリマスだったかセーラムだったか、知人に連れて行ってもらったことがありました。その港町に並んだお土産物屋さんのショーウインドーに、メキシコ製の土の人形が箱に入っておかれているのを見ました。
メキシコの、土でできたろうそく立ての人形は、住んでいた町でも見たことがありましたが、カラフルな人形たちのセットは初めて見ました。そのときは、それが降誕人形だということも、知りませんでした。

その人形を手に取った記憶がないので、その店はあいにく、閉まっていたのだと思います。でも、小さなショーウインドーの片隅で輝いていたこと、メキシコ製だったということ、値段が10ドルだったということは、今でも鮮明に覚えています。
その人形だけのために、その地をまた訪れることはあり得ません。それに、当時は収入のない筍生活をしていたので、10ドル(当時は3600円)は贅沢以外の何ものでもありませんでした。
というわけで、どっちみちあきらめざるを得なかったのですが、その人形のことは、長い間、悔しい思いとともに、忘れられませんでした。

やがて、それが降誕人形と知り、外国の土人形に関心を深めるきっかけともなりましたが、フランスやペルーなど、ほかの国の降誕人形を手に入れてからも、「あのときの、メキシコの降誕人形」という思いから解放されることはありませんでした。

この降誕人形は、あの時の降誕人形と色も形も違いますが、なにせメキシコの人形ですから、やっと「あのときの、メキシコの降誕人形」という思いから解放されそうです。
しかも、半世紀近く経ったというのに、そのときの降誕人形の値段より安く手に入れました。有り難いことでした。






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