ブリキやアルマイトは、新しいものより、年月が育てた、使用感のあるものの方に惹かれます。
料理の下ごしらえの友として、アルマイトのお皿がもっと欲しいと思っていたのですが、昨年骨董市で、真新しいデッドストックを見たときには、触手が動きませんでした。
「傷はないし、未使用だから清潔ですよ」
と骨董屋さんが、一生懸命勧めてくれるのですが、
「なんだかなぁ」
これは、以前、今はなき笠間の貨車をカフェ・ギャラリーにした、「 かしゃま」で、でこぼこだらけの汚いお皿の中から、選び出したアルマイトの、給食の器です。
料理の下ごしらえ用として、愛用していますが、どれにするか選ぶ時も、とても楽しませてくれましたものでした。
さて、先日の骨董市で、馴染みではない骨董屋さんの店先で、デッドストックの金魚模様のお皿を見つけました。
三枚ありましたが、どれも傷一つついていないもの、でもお値段が手ごろでした。
「安いけれど、味はないなぁ」
と、MADE IN JAPANと書いてあるのが見えました。
ということは、1960年代、日本がおもちゃで外貨を稼いだ最末期のころにつくられたもの、MADE IN JAPANがなかったら、きっと買わなかったでしょう。
全体として見ると味がありませんが、一つ一つの絵を見ると、悪くありません。
ほのぼのとしています。
というわけで今、台所で料理の下ごしらえをするときはできるだけこのお皿を使うようにして、景色を育てているところです。
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