2016年3月21日月曜日

山路を愛でる、庭をつくる


先日、こんこんギャラリーの瀬川敦子さんの展示のおりに、部屋の一角に『筑波山系の山路を辿る』という題名の本が置いてありました。
こんこんギャラリーには、『八郷町民文化誌・ゆう』のバックナンバーは置いてありますが、これは初めて見た本だったので、ぱらぱらとめくってみました。


手書き、絵入り、地図入りで、八郷を囲む山並みの、道が紹介されていました。すべて、著者である鈴木敏信さんが歩かれた道で、道端の石にも草木にも、優しいまなざしがそそがれている、力作でした。
「この本、ここで売っているの?」
「見に来てくださったお客さんにいただいたものなの。以前、印を頼まれたことがあって」
と敦子さん。


確かに、ページの片隅に印が押してあります。
巻末には連絡先も書かれていたので、本を手に入れることができればと、後日連絡してみました。
「さしあげますよ。来ませんか?」
といきなりの電話にもかかわらず、鈴木さんからご親切なお誘いを受けて、すぐうかがいました。


「なんだ、この庭は!」
迎えに、門まで出てくださっていた鈴木さんの後について、庭に一歩入ったとたん、びっくりしてしまいました。

国道のすぐ近くで、どちらかと言えば市街地にある鈴木さんの庭は、雑草一本生えてなくて、落ち葉一つ落ちてなくて、木という木はすべて形よく選定されている、手を掛けないとできない庭なのに、限りなく自然な感じで、気持ちがいいのです。
サンシユが咲いていますが、我が家の野放図に伸びた木とは、違う木のようでした。


この庭は、山のふもとをイメージして、十数年前からつくられているとのこと、このあたりの山に自生している木は、たいてい植えてあるそうです。


沢をイメージしたところには、井戸水を流し、水草を植えていました。


鮮やかなリュウキンカがちょうど見ごろでした。


鈴木さんの山歩きは、地図を見て、古地図を見て、『八郷町民文化誌・ゆう』などからの情報も踏まえて、一日に四時間ほど歩く計画を立てて、今使われている道、そして今は利用されていない古道などを歩くものです。
昔あったのに今は篠竹で覆われている道は、剪定ばさみで切り開きながら歩き、石を眺め、植物を眺め、史跡を眺め、写真を撮り、そしてスケッチもされます。


我が家の近くには、平安時代に石岡の国分寺や国分尼寺の瓦を焼いた瓦塚があります。
鈴木さんは瓦を焼くなら、たくさんの木を伐り出して薪にしたはずだと、瓦塚からまっすぐ山に入っていく道も見つけて歩かれています。


歩いた道を表した地図の余白がなくなるほど山歩きを楽しまれる傍ら、どうしてあんなにきれいに庭を保てるのか、不思議でした。

鈴木さんの家を辞して帰ってきてみたら、急に我が家の庭が汚れたものに見えました。落ち葉はいっぱい残っているし、どの草にも先駆けて、カラスノエンドウ、ナズナ、ハコベ、タンポポなどが、我が物顔で大きくなってきているし、ドクダミやスギナは芽を出しているし、篠竹やクズも、隙あらばはびころうと狙っています。









2 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

見本のようなお庭ですね。水辺を再現しているのもすごい!本もこまかーい!
でも春さんの野趣溢れるお庭も写真で見る限り(笑)素敵です。

さんのコメント...

hiyocoさん
すごいですね。草の季節にも見てみたいですが、たぶん同じようにきれいなのでしょう。ただ、苔などは植えたのが淘汰されて植えないのが増えているので、自然の好むままにしているとおっしゃっていました。あと、水近くにチドメグサがはびこって、それは勝手に生えたそうですが、チドメグサなのに、緑の絨毯みたいで美しい!(笑)。
うちの庭?めちゃくちゃです。敷石は歩幅にあっていないので誰も踏まないし、石を積んだ石段は端を踏むと崩れるし、石の下には蟻が棲みついて、せっせと土を掘りだすし、生け垣の中の篠竹は切っても切っても出てくるし、あぁぁ、これからが草との対決の本番です(笑)。