骨董市で、まことさんの店に並んでいた、色絵人形です。
かわいいのなんのって、普通の色絵人形より、サイズが小さいものがほとんどです。
「かわいいなぁ」
「これ集めるのに、35年かかったんだって」
「ふうん」
コレクターさんに買い取りを頼まれたので、わりと高く買ったものだそうです。
もし私が集めた人だったら、ばらばらにしないでまとめて買う人に売りたいと思うに決まっていますが、買う人だったら.....?
一つ一つばらばらに買いたいものです。
「選んでもダメだよ。まとめてしか売らないから」
と言われたって、選んで掌に載せてみます。
「だって、全部だと高いでしょうよ」
「高いよ。これ、一つ1000円としても五万円でしょう。まとめて買ってくれたら、ケースもつけるけれど」
ケースをつけてくれたって、無理です。目だけを堪能させてもらいました。
それにしても、最前列のわんこ、にゃんこたちにちびだるま、なんてかわいいんでしょう!そして、そのうしろの間抜け顔の犬も!後ろの方の犬張り子犬は、すごい顔をしています。
今は色絵人形も千円札数枚で買えますが、昔はもっと高額でした。
いったい、集めた方はいくらつぎ込んだのでしょう?そしてまことさんはいくらで売るつもりでしょう?買えないので、たずねませんでしたが。
名前は知らないけれど、器や古民具を商っている、ずっと前から顔見知りの骨董屋さんがいます。
その店に古い紙の箱が置いてあって、珍しいセルロイドの市松人形が三体入っていました。市松さんは、女の子二人、男の子一人で、みんな着物姿です。
その人形の陰に、ドングリのはかまが見えたので、手に取ってみたら二宮金次郎でした。
小さいのに髷を結ってあり、背負子で柴を運んでいます。
値段をたずねてみました。
「.....たくさんもらうわけにはいかないしなぁ。200円!」
売り物ではなくて、たまたま、セルロイドの市松さんの箱の中に紛れ込んでいたもののようでした。
ラッキー!
それにしても、いづめこ人形などと違って、二宮金次郎にどんぐりのはかまを使う必然性が感じられませんが、足をつくらなくていい、立ち易いということだったのでしょうか。
おもちゃ骨董のさわださんの店に行くと、人だかりで肩越しにしかのぞけないほどだったので、一度目はパスして、二度目に行くと、お客さんが少し減っていました。
時間はまだ、朝の7時ごろです。
「頼まれていたガラスのさいころ、持ってきたよ」
と、さわださん。
あれっ、私が欲しかったのは、ガラスの独楽で、さいころにもなっているものだったのですが、よく伝わってなかったみたいでした。
そのさわださんの、100円均一の箱の中に、メキシコの、ヤシの葉でできたパイナップル収穫の人形がありました。
三分の一ほどの大きさの、でもそっくりの人形を持っていましたが、引っ越しでなくしています。同じ地域でつくられたものです。
これは高さが13センチあり、大きすぎますが手が込んでいて、草細工の資料としてはなかなかのものです。
「自分でつくってみて」
と言われたら、いったいどのくらい時間がかかることでしょう。
「これもどう?」
「いらない」
「同じ感じでしょう?」
「どこがぁ」
さわださんが手に取って見せてくれたのは、やはり100円均一の箱の中にあった、針金にイグサをぐるぐる巻きつけてつくったバッタです。
「まぁ、くれるなら、もらってもいいけど」
「あげるよ」
変なバッタには、まん丸でかわいいハトメがついたラベルが残っていました。字は小さくて読めませんでしたが、やはりどこかよその国のもののようです。
いまはいないがんこさんのおやじさん(師匠)の店には、小さな招き猫が二つ並んでいました。
射的の的だったものでしょうか?
というわけで、なんとも、おもちゃな、おもちゃな骨董市でした。
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