2016年7月21日木曜日

♪流れ流れて、たどり着いたのは八郷だった♪


「猫?」
骨董市で、玩古さんのおやじさんの棚に並んでいた、小さな豚のような猫です。もの悲しいと言えば、もの悲しい目をしています。
どうしてもってわけじゃないけれど、安いなら連れて帰ってもいいと思って、値段を聞いてみました。
「.......、300円」
猫を手に取り、なぜかためつすがめつ眺めたおやじさん。時間をかけて値段を決めました。

まっ、300円ならいいか。ついでに、猫の横にいた福助さんの値段も訊いてみました。


「これは、かわいくないから、100円」
こちらは即答です。
古いものではないけれど、ありふれたものだけど、かわいくないと切り捨てられた福助さん!
福助さんももらうことにしました。
「あっ、こっちはお金はいいや。両方で300円」
と、とうとう福助さんはただになってしまいました。
 

縁起物の福助さん、このところ、骨董市でよくお目にかかります。
中には高さ30センチもある大きなもの、戦前のもの、もっともっと古いものも目にします。福助さんの生きてきた背景には心惹かれますが、福助さんそのものには、そう心惹かれません。古くなれば古くなるほど、おどろおどろしくて、「かわいい」には程遠い存在です。
でも、こんな、毒のない顔をしたおちびさんなら、我が家にいる福助さんたちと仲良く過ごしてくれることでしょう。

おまけだったことも気にせず、福助さんはご丁寧なごあいさつをしてくれました。







2 件のコメント:

昭ちゃん さんのコメント...

正式な名称は「叶 福助」
招き猫より歴史がありますね。(笑い)

さんのコメント...

昭ちゃん
ええええ、叶福助!それは知りませんでしたが、ウィキペディアで見るとちゃんと載っていますね。
荒俣宏の『福助さん』という本を持っているのですが(笑)、それに諸説載っているものの、叶福助は出ていませんでした。福助さんの初出は、安永二年(1773)年だそうです。
福助を全国ブランドにした福助足袋は、どこの家庭にもありましたね。