2019年6月3日月曜日

郷土玩具、より取り見取り

骨董市でまことさんの店に行くと、
「これは全部おもちゃ」
と、大きな箱を地面に3個並べてくれました。旧持ち主は同じ人、多分遺品です。
「わぁ、ここに一日いられるねぇ」
と座り込んで見はじめましたが、わりとすぐ飽きてしまいました。包みを一つ一つ開いて、中を見てまたしまうのが面倒すぎます。


その人は、人形たちを愛でるより丁寧にしまう方が好きだったようで、小さなものでも一つ一つ、紙できれいに包んでからビニール袋に入れ、さらに箱に入れています。


そのため、どのおもちゃも経年の変化が全く見られず、今つくられたような色をしていました。
人それぞれですから批判できませんが、しまうのが楽しみだったなんて、寂しすぎる感じがします。おもちゃも人形も時間を共有して、共に過ごしたいものです。


さて、この舟は持っていない、この祠は持っていたのになくしてしまったなぁ、などなどいろいろあったのに、結局、いまも家にある鹿児島神宮の香箱吉良の赤馬、そしてわりと素朴なつくりの山口県大内の木雛をいただいてきました。


家に帰って、鹿児島神宮の香箱をビニールから取り出し開けて見ると、紙とビニールにしっかり包まれた泥めんこ、竜、京都のミニチュア羽子板、そして奈良法華寺のお守り犬が出てきました。
私もまことさんも、香箱は開けてもみなかったのですが、ありがたくいただいておくことにしました。


泥めんこ、竜、羽子板ははっきり言って要りませんが、法華寺のお守り犬だけは懐かしいのです。
学生時代に、同級生ののりさんと二人、京都奈良を回ったことがありました。京都ではやはり同窓生の実家の、伝統的な町家に泊めていただいた豪華さ、一転して奈良ではわびしい安宿に泊まり、寒がりなのに、震えながら東大寺の二月堂のお水取りの行事まで見ました。
ちろん法華寺にも行き、決してかわいい犬ではないけれど手に入れて、長いこと持っていました。
ところが何せ小さいものなので、引っ越しを繰り返すうちに失せたらしく、ここに来てからはその姿を見ていないのでした。


香箱は、ニスの艶が、我が家にあったものとは全然違います。
その我が家の香箱も二代目、鹿児島神宮で求めたのは、湿気で接着していた紙が剥がれ、ばらばらになって色も褪せていたので、泣く泣く捨てています。
あれっ、よく見ると蓋の模様が違います。


さらによく見ると、ハート模様が蓋に描かれているのと、ハートが箱の側面に描かれているのがあります。
はて、もっとも古いのはどうだったんだろう?今となってはわかりません。


そのおもちゃ箱の中に、大きな鯛車もありました。
でも、色がきれいすぎたのでパスしました。やっぱりちょっと古びている方が素敵です。もっとも、我が家に来れば、何もかも古びてしまいますが。


それにしても鹿児島神宮の授与品、どれもかわいすぎます。





2 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

香箱のデザインも色も大胆で驚きです。チョウとか花でしょうか?こういうのって描こうと思っても描けないです。色が、今日見たアメリカデイゴの花の色と同じだなぁっと思ってしまいました。鹿児島県の花ですね!

さんのコメント...

hiyocoさん
色も模様も大胆ですよね。昔の子どもたち、大喜びしたと思います。
デイゴですか。我が家のデイゴは昨年枯れてしまいました。東京と違うのは朝夕冷え込むことだけ、それをデイゴが好まないならもう仕方ないやと、植えるのはあっさり諦めました(笑)。
もっとも、我が家のデイゴの実家には、枯れずにいっぱい木があって、花も1年に2度くらい咲いているのですけどね。
植物とはつくづく相性ですね。なんちゃって、世話が行き届いてないだけですが(笑)。