2012年7月8日日曜日
糸巻き機
よく似た、糸巻き機があります。右は1970年代に私が織物のために実際に使っていた糸巻き機で、左は後に骨董屋さんで買ったものです。
骨董屋さんで古いのを買った理由は、実用品はいつも使っていた機械ですが、いかにも工業製品らしい色といい、当時は大量に出回っていたラワンが台座に使われていることといい、なんとなく気に入らなかったからでした。
並べてみると、古いものは木部に漆が塗られていることといい、歯車のスポーク部分が曲がっていることといい、やはり趣があります。
実用品は、ハンドルを回した力を、足踏み ミシンと同じようなゴムベルトで、糸巻きを設置する回転棒に伝えます。
古いものは、歯車で力を伝えます。
糸巻き機の回転棒は、糸巻きを着脱するたびに外さなくてはなりません。
実用品では、回転棒の端の留め金を外して、上にあげることで外れます。
また、古いものは、
お尻についた留め金を外して回転棒を手前に引っ張ると、歯車が外れます。
回転棒には、微妙に穴の太さの違う糸巻きを、固定しなくてはなりません。
左の実用品は、回転棒の太さが太くなっているところがあって、もっとも太いところより細い穴の糸巻きなら、どこかで固定できるようになっています。
また、右の古い機械の回転棒には羽がついていて、太めの穴のあいた糸巻きを、ばねの力によって固定できるようになっています。
実用品の回転棒に糸巻きを着けたところです。
古い糸巻き機にはどんな糸巻きが使われていたか、正確には知りませんが、こんな感じでしょうか。
糸巻きは、織機に張る経糸(たていと)を巻くためにも、杼に入れる緯糸(よこいと)を巻くためにも使います。
実用のものはハンドルを一回転させると、約60センチの糸が巻きとれます。10メートル分の経糸を織り機に掛けたいときには、1000÷60、約17回転させれば、一本分の経糸が巻き取れます。通常は、何本分かをまとめて巻き取ります。
古い糸巻き機で試してみたら、一回転で実用品の倍の120センチ巻き取れました。
実用品は、比較的短い長さで、誤差を出さずに欲しいだけの糸を巻き取るのに適していて、古い糸巻き機は、短時間に大量の糸を巻き取るのに適しているのでしょうか?
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