2012年7月17日火曜日

砂糖液を集める竹筒


タイ南部トラン県の、ニッパヤシで生計を立てているヤンスー村に行ったとき、
「口のところにひびが入って、もう使えないものだから」
といただいた、ニッパヤシのヤシ砂糖を集める竹の容器です。


口近くに、穴が開いています。
そのときはいただいた嬉さに有頂天になっていて、どうやって使うのかも聞き忘れてしまいました。
この穴を花芽に引っかけるのではないかと思われます。

竹に自分で穴を開けてみて、その難しさに四苦八苦したので、左右対称の美しい穴が開けてあることに感動します。


竹の容器は高さ44センチ、口で直径58ミリですが、底がむしろ細くなるように削ってあり、自分で立つことができません。


カンボジアの、パルメラヤシの砂糖液を集める容器も同じですが、竹の表皮は丁寧に削り取ってあります。


こちらはカンボジアの竹の容器です。

 
カンボジアの砂糖液を集める容器は、高いところに持って上り、花芽の上からぶらさげるので、少しでも軽くするために表皮を削り取ると聞いていました(写真は『TOOLS AND PRACTICES』から)。
ニッパヤシの容器も花芽に引っかけるために、表皮を削り取ってできるだけ軽くしているのでしょうか。


カンボジアでは、ヤシ砂糖の産地には太い竹がないので、別のところから買っています。
どうせ買うなら何でも同じということなのか、安価なのか、長持ちするのか、近年はプラスティック容器がたくさん出回っています。


なかには、空いたいろいろな容器を砂糖液集めに利用している人もいます。
これは、砂糖液集めの容器を天秤棒でかついで歩いている人の写真(同上)ですが、前荷に一つ、後ろ荷にも複数の竹筒も見えています。

タイのニッパヤシの砂糖づくりは、カンボジアのヤシ砂糖つくりほど広範囲に行われていないので、砂糖液を集める容器がプラスティック容器に取って代わられることはないような気がします。


ニッパヤシの砂糖液を集める竹筒は自立しないので、底におはじきを二枚はさんで立ててみたところです。右のカンボジアの容器は、高さ31センチ、直径100ミリです。


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