2012年7月9日月曜日

ゲーベル人形


しばらく前の骨董市で、がんこ屋さんの親方の箱の上に、ぽつんとこの人形が立っていました。親方は、箱のまま積んでいて、あまりものを並べません。

とってもかわいい女の子です。
「親方、これは何?」
と聞くと、寡黙な親方が答える前に、隣にいたがんこさんが、
「ドイツのゲーベル人形」
と教えてくれました。



値段を聞くと、がんこさんが、親方にすり寄って、
「山の上のおかあさん(私のこと)に、安くしてあげて」
と、口添えしてくれます。
「.....」
「さっきのお客さんに言った値段はだめだよ、もっと安くしてあげて」
「.....○○円!(一般価格の四分の一以下)」
「ほっ」

私に向かってがんこさん、
「本当はすごく高いんだよ。世界的にコレクターがいる人形なんだ」
と教えてくれました。


「ねえねえ。語ってもいい」
親方が包んでくれていたとき、がんこさんが言いました。
「どうぞ」

がんこさんが語るところによると、ゲーベル人形は磁器に手で彩色したもので、戦後ドイツに戦争孤児があふれたとき、 孤児たちを救おうと、もっとも盛んにつくられました。
子どものかわいい姿を写したゲーベル人形はいろいろな国に輸出され、人気を博して、値段が高かったものの飛ぶように売れて、その資金がドイツで孤児救済に使われたそうです。


底にあるロゴマークからわかるのですが、これは1970年代以前につくられたものだそうです。


帰ってから調べてみると、ゲーベル人形はフンメル人形とも言い、マリーア・イノツェンツィア・フンメルの絵を元に1935年につくられはじめたもので、2008年に製造中止になっています。

ランドセルをしょって、バスケットを腕にかけている女の子。
バスケットの中はお弁当でしょうか?



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