2013年11月23日土曜日

箱根細工

私の持っている箱根細工は、昨年の夏に、夫の弟から送られてきた夫の母のミニチュアコレクションの寄せ木細工の箱と、入れ子の家だけでした。


いわゆる箱根細工らしい、複雑な模様の箱は持っていませんでしたが、しばらく前に骨董市で、大きさも値段も手ごろな箱を見つけました。


それにしても、箱根細工のつくり方には驚かされます。色目の違う木の板を膠(にかわ)で貼り合わせて、それを切ったり、ずらしてまた貼り合わせたりして複雑な模様をつくり、最後には、鉋で同じ厚みにスライスするというのです。
寄せ木部分が薄すぎるんじゃないか、なんて文句は言えない、複雑、かつ繊細な工程です。


桐の箱に、寄せ木の薄い板を貼ってあるのがわかります。


もっとも、母の遺した寄せ木細工は、中まで寄せ木、つまり金太郎飴のように切った板だけで細工したものです。


箱根細工は、湯治場のお土産物として、江戸末期からつくられはじめました。
その当時から、今のような複雑な模様のものをつくっていたのではないのでしょうが、いつごろから紙のように薄く鉋で削る方法になったのでしょう。


箱根の山の籠かきが、余暇を利用してつくりはじめたと言われていますが、とうてい余暇でできるようなものには見えません。


箱根細工の箱には何を入れようかな?
ハガキを入れるには、ちょっと小さめなので、いまのところ薬を入れています。



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