日本の
墨壺です。
堅牢で長持ちするように硬い木、ケヤキでつくられています。
こちらは上のものより少し大きめの墨壺です。
墨壺がとてもたいせつな時代のものだったとみえて、漆を塗ってあります。
廻手(かえで)が取れてなくなっていますが、形も彫りもとても素敵、一つの完成形をあらわしています。
底には、「榎本?」と持主の名前が彫り込んでありますが、細かい作業にはなれていなかった大工さんが彫ったとみえる稚拙な彫り、微笑ましくなります。
日本の墨壺の壺車は、ほとんどが透かし彫りになっています。
透かし彫りの壺車の透かしから、巻いてある糸が見えています。
糸の長さを知るのにも、切れた時に糸口を見つけてつなぐのも、透かしがあればとても楽です。
破たんがない、これ以上は手を加えられないような形の確かさ、しかもさりげなく装飾も見える、素敵なつくりです。
ノミ、鉋、手斧、墨壺。
古い大工道具たちは、どれも美しいたたずまいを見せています。
0 件のコメント:
コメントを投稿