タイ、ラオスの山岳地帯に住んでいるモン人の背守りの布です。
桃色の布の上に白い布を重ね、白い布を切ってそれを綴じる、「リバースアップリケ」の方法で模様を出し、刺繍で埋めています。
渦巻き模様そのものが魔除けですが、これでもかと隙間を刺繍で埋め尽くすのは、魔物に入り込む隙を与えないためです。
1990年くらいまでは、モンの人々が暮らす村を訪ねると、少女からおばあちゃんまで、布をかがっている姿を見ることがありました。
今はもう、売る目的でつくっている人以外、ほとんどの子どもたちは習わずに大きくなるのではないかと思います。
バングラデシュの刺繍のメガネケースです。
ノクシカタですが、刺繍で埋め尽くしています。
裏布もついているので、刺繍の裏がどうなっているのか、見るわけにいきませんが、一針一針縫ってあることは確かです。
グアテマラの、ウィピル(貫頭衣)を再利用してつくったお財布です。
グアテマラは、ラテンアメリカの中ではボリビアと並んで、先住民の人口が多い国です。ともに、先住民が60%以上を占めています。
刺繍にも見えますがこれは織りものです。
ウィピルは村によって模様が違います。
たいていが織りものと刺繍の組み合わせで、下には巻きスカートを合わせます。
財布に再利用された布は、これに限りなく近いでしょうか。
バングラデシュのメガネケースも、グアテマラのお財布も、NGOなどが住民の生活支援のために行っている、フェアトレードのものです。
朝鮮の武人の背守りです。
白虎、スホランは、現在行われている平昌(ピョンチャン)オリンピックのマスコットとして使われていますが、「スホ」は守るという意味、白虎は朝鮮民族の守り神なのです。
それを背守りとしてつければ、最高だったでしょう。
やはり悪いものが入らないよう、絹糸で埋め尽くされています。
黒い、地にみえるところも刺繍です。どんな布に刺繍したのか、全く見えませんが、薄手の布だと思います。
縁に張ってあるのは、紋織りのある絹地、黒繻子です。
刺繍した布を手漉き紙に貼り、裏からは手織りの麻布を貼って、それを黒繻子の布で縁取してあります。
麻はカラムシなどかもしれません。
埋め尽くされた布には、どれも、願いや祈りが込められています。
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