いつも布で覆っているので、長椅子のマットカバーを見るのは久しぶりでした。
考えてみると、長い間似たような椅子とつき合ってきて、ずっとマットカバーを洗濯してきました。
子どもが小さかったころ住んだ東京郊外の家には、つくりつけた長い長椅子がありました。
マットカバーは、厚手の帆布のような布で、自分で縫いました。汚れはそう目だちませんでしたが、縫うのは大変だったし、洗うのもごわごわして大変でした。
スクムヴィット通りに並んでいたラタンの家具屋さんの何軒かにはおいてあった、定番に近いような椅子セットでした。
帰国するとき、予備のマットカバーを、白は汚れが目立ちすぎるので赤で縫ってもらいました。赤はずいぶん派手、白と交互に使っていました。
いずれにしても、マットカバーを外して、洗って、しわを伸ばして、また掛けてと、洗濯はかなり面倒なものでした。
というわけで、現在の長椅子に関しては、最初から布を掛けて使っています。最初のうちはインドの布だけを掛けて使っていましたが、夫が横になって、いつもしわくちゃにしてしまいます。
そのため、頻繁に整えなおさなくてはならないので、その上に重い裂き織りの布を掛けて使っています。
洗った裂き織りはさらに重く、干すときに裏布の絣を杭に引っ掛けてかぎ裂きをつくってしまいましたが。
でも、表布はしっかりしたもの、先人の手仕事に感謝し、ありがたく使わせていただいています。
余談ですが、1980年には見かけたこの角ばった椅子は、2010年のバンコクの家具屋さんからは消えていました。新しい長椅子をつくってくれた家具屋さんに、写真を送ったのによく伝わらず、試行錯誤しながらつくったようでしたが、できたものは製法の違うものでした。もちろん、それを受け入れましたが、一目見たらつくれただろう職人さんは、一人もいなくなってしまったのです。
時代の反映か、家具屋さんに並ぶ家具は、「これがラタン製か?」と思うような、斬新なデザインのものばかりでした。
2 件のコメント:
ずっとラタンの長椅子と共に過ごしてきたのですね!今ある長椅子はタイで作って日本まで送ってもらったということですか?タイにはラタンの家具屋さんがあるのですね。何度か行った中では気付きませんでした。
春さんも旦那さんも若い!
hiyocoさん
ほっほっほ、誰でも年取りますよ(笑)。
あの長椅子が好きで、でも、三人掛けでは、寝っ転がるのがぎりぎりだったのかしら、とにかくこの家には長いのが欲しいということになり、「いつかタイに行けば簡単に買えるさ」とそれまでのつもりで、最初古いのを使っていました。背の裏はもう腐っていたし、一番安いところに頼んだのでつくりが雑、マットを置くためのラタンの棒が外れたのを補強したりして、相当傷んでいる代物でした。なにせ、そこまでで30年も経っています(笑)。
2009年にタイで一緒だったデンマーク人が遊びに来て、椅子の話をしたら、私たちも知っている骨董商だった夫婦の娘が家具屋をやっているので彼女に頼めばということになり、頼みました。その一年後に南タイのデンマーク人を訪ねたおりに、バンコクの家具屋でほぼ出来上がった椅子を見て、別送荷物ということで手続して、郵送代は払ったか払わなかったか、個人の荷物ということで送ってもらって税金はかかりませんでした。
その昔は、ラタン製品を店中に積み上げた家具屋というか籠なんかも売っているお店が何軒もありましたが、2010年に行った時の印象では、家具屋もみんなおすましになって、冷房のあるお店に芸術っぽく飾ってあるという感じで、ほこりまみれで積み上げている冷房のない店なんて消えていました。
昔のバンコクは、今考えると混とんとしていて、おもしろかったです。真夜中にご飯食べている人もいるし、バスは扉を閉めないで走るので、バス停から遠い場所で降りたいときは、曲がり角でちょっとスピードを落とした時に、進行方向に向かって飛び降りるのですが、時々スピードが思ったほど落ちないで、おっとっととなったりしていました(笑)。深い路地にはトラック改造のバス(ソンテオ)が走っていましたが、今はバイクタクシーかなぁ、すっかり変わりました。
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