2019年4月7日日曜日

目薬ビン

骨董市に行ったら、ガラス骨董のわじまさんの店に、段ボール箱にびっしり詰まった丸い木の蓋物や紙の円筒形の箱がありました。全部で50個以上あったでしょうか、三分の二くらいが杉の木の蓋物で、残りが紙の箱でした。
目薬ビンのケースです。

こういうものを見ると悩みます。
ガラスビンを愛でるのが好きですが、箱もあれば取っておきたくなります。箱は庶民史の証人でもあります。
しかし、箱つきとなると、どうやって飾っておくかまだいい答えが出ていなくて、ばらばらしています。しかも、このタイプの目薬のビンは、すでに持っています。


この2つです。


と言いつつ、お定まりの成り行き、3つばかり買ってきてしまいました。


スポイトにゴムのキャップが残っているもの、ゴムのキャップが取れてしまったもの、そして点眼の時にゴムを使わないで指の腹を使うと思われる、口の広いものの3点です。


この3つを選ぶ前、どれを選ぼうかと、小さな蓋物や紙箱を、端から端まで一つ一つ開けてみました。
長い年月が経っているため、スポイト部分がビン本体とくっつき、引っ張ったくらいでは外せないものが多く(半分以上)ありました。ビンはどれも空でしたが、おそらく液体が蒸発してなくなったものだと思われます。
ゴムはほとんどのスポイトに残っていましたが、もう硬化しているので、引っ張ろうとすれば、ぼろぼろに崩れてしまいます。

段ボール箱にたくさん並んでいるのを、上から見た感じでは、私は木のケースより紙の箱の方が好きでした。
しかし、木のケースもつくるには技術や道具が要る、やっぱり一つ手元に置いておきたくなりました。


轆轤仕事でつくった木の蓋物は、ロシアのマトリョーシカづくりに負けない技術、どれもぴったり閉まって、簡単に開きます。

この場合、木の蓋物や紙の箱は、いわば目薬のおまけです。
ビンともども、使い捨て用につくられたものですが、今となってはつくった人の姿が、木の蓋物や紙箱をの向こうに見える、貴重なものとなってしまっています。
ガラスビンは型を使ったもの、型を使わずに吹いたもの、どちらもありましたが、どれもケースにぴったり収まっていました。
中には、木が縮んだのか、ビンを引っ張り出せないものもありましたが。


また木の蓋物で、ビンの上と下、ケースの上と下をマッチングさせるためか、A、B、Cなどを書き込んでいるものもありました。
ガラスビンに張ってあるのは、昔の絆創膏です。
スポイトはビンの底まで届かなくてはならない、けれど長すぎてはいけない、またビンの口にはぴったりと収まらなくてはならない、などなど制約があり、一つ一つ違っていたのでしょう。


手づくりの紙の箱もよくできています。
スポイトの口が大きい方の箱の裏には、「新案特許東京富山商店」というシールが貼ってありました。


一つだけ簡単に洗ってみたら、すっかりきれいになりました。







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