2019年5月15日水曜日

ビーズ展

東京に行く用事がありました。
せっかく東京に行くなら、その前に上野の近代美術館で開催されているル・コルビジェ展を見たいと、夫が言います。
よかった、私は前々から近代美術館のお隣の科学博物館で、hiyocoさんのブログで知った「ビーズ展」を見たいと思っていたのでした。
というわけで、文化会館の前で別れました。


久しぶりに入った科学博物館、とても気持ちのいい空間でした。
私は博物館によく足を運ぶタイプではないのですが、真ん中を登って左右翼に展示室がある構造は、外観は違いますがプノンペンの博物館を思い出します。
一昔の博物館の定番、いつまでも残してもらいたいものです。

さて、ビーズ展、とくに木の実、貝殻、動物の歯やとげのビーズなど、興味深いものでした。
それにしても、これまで私はほとんどビーズに関心を持たないで過ごしてきました。何故かなぁ、その答えがこの展示会にありました。
トンボ玉、銀のビーズなど、ビーズは、どんな民族グループにおいても、権力やステイタスのシンボルとして使われることが多かったのです。そして私は、権力やステイタスのシンボルになるものには関心がなくて、どちらかと言えば民族グループの成員みんなが使っていたようなものが好きなので、ビーズとは縁遠かったんだなと気づきました。

展示室では、動画以外はほとんど撮影可能になっていました。
でも採光のせいで自分の影を映しこまずに撮影するのは難しいし、ガラスケースは光るしで、ろくな写真が撮れていませんが、素敵だったビーズ細工を少々、ご紹介します。


サモアのアダンの実のレイ、赤く塗ってなくても素敵そうでした。


ブラジルの蛇の肋骨の首飾り。
 

ブラジルの世界最大の淡水魚ピラルクのうろこを使った壁飾り。
うろこは白い部分らしい。では黒いところは何なのか、知りたい知りたい、でした。
 

ブラジル、イルカの歯の首飾り。


台湾の山間部に暮らしてきたタイヤル人の、スズメバチの頭でつくったお守りです。
獲物を捕りに森に入る彼らでさえスズメバチは怖い。そのスズメバチの強力な力を頼みにして、狩りに連れていく赤ちゃんの枕もとに置いたりして、お守りにしたりします。


ボツワナのダチョウの卵の殻も面白かったです。
動画があったのですが、まずダチョウの卵の殻をできるだけ小さく割ります。


割った破片にキリで穴を開け、動物の腱でつくった紐に通します。


そのあと、紐に通したダチョウの卵の殻を岩の上に置き、一枚一枚を、罠猟で捕らえたスティーンボック(アンテロープの一種)の角で欠いて、形を整えます。
だいたいの形が整ったあとで、全体をこすって整えます。


ダチョウの卵の殻のブレスレット。


この首飾りも、白い部分がダチョウの卵の殻でできています。


貝もタカラガイだけではなくて、いろいろな貝がビーズとして利用されてきました。
左手前はアンボンクロザメ貝、それを輪切りにしてつくった左奥はパラオのネックレス、右はパプアニューギニアのブレスレットです。
ミュージアムショップにアンボンクロザメを売っていたので、買って帰ってつくってみようかとも思いましたが、絶対つくらないと、買ってきませんでした。


そしてこれは、シワコブムシロ貝でつくったパプアニューギニアの頭飾りだそうです。
タカラガイは交易で内陸深くまで運ばれましたが、これらの貝は、遠くまでは運ばれなかったのでしょうか。










8 件のコメント:

かねぽん さんのコメント...

こんにちは。
一口にビーズと言ってもガラスだけでなく色々な素材があるんですね。
昔スワロフスキーのビーズが流行った頃、ガラスのビーズで指輪やネックレス等のアクセサリーを作ってみた事があります。自分ではアクセサリーを身につける習慣がないので、いつか誰かにあげようと思っていたのですが、いまだに全部手元に残っています。

さんのコメント...

かねぽんさん
わぁ、素敵なのができたのでしょうね。
私はビーズとご縁がない、ビーズ細工をいただいたことがあったかもしれないけれど、それすらどこかに無くしてしまいました。
今年預かったWくんのビーズ(http://koharu2009.blogspot.com/2019/01/blog-post_92.html)、これはお返しするものなので気楽です。
ビーズをつなぎ合わせた記憶もありません。
かねぽんさんのビーズ細工、いつか喜んでくれる人が見つかりますよ(^^♪

昭ちゃん さんのコメント...

全てが上野の森に集中しているのも嬉しいです
地獄門や考える人は屋外でしたね。
科博も私の原点で旧入口の階段で手を叩くと
エコーがかかり日光の「泣き龍現象」になりました。
 「インカのミイラ」やからくり儀衛門の「万年時計」「隕石」と
昔の通りで
今は恐竜がありますね。

hiyoco さんのコメント...

ビーズ展に行かれたのですね!
なるほど、春さんがビーズに惹かれなかった理由はそういうことなのですね。
アダンの実やダチョウの卵の殻はなぜか見逃しています!しかもダチョウの卵は動画まであったんですよね?なんてことでしょう。
アンボンクロザメ、買わなくて正解でしたね(笑)。

昭ちゃん さんのコメント...

姐さん9枚目は歯根が欠けていますがサメの歯のようですね、
「オドンタスピス sp.シロワニ類」で
大きなサメの歯はネックレスでよく下げていますね。

さんのコメント...

昭ちゃん
上野の森は残っていてよかったですが、前より見晴らしは利かなくなっています。
建物が増えたこともありますが、木々が大きくなっているでしょうか。木が大きくなれる場所があるということは素敵なことです。今では見通しがきかないと危険だからという理由で公園の木が切られたりする時代ですから。
それにしても科学博物館、催し物を入れ替えたりするための倉庫とか、素人考えでもいくら空間があっても足りないでしょうね。あの建物を新しく建て替えようと思ったりしないでもらいたいものです。
昭ちゃん、歯に見えるものは大きなもの、動物の角らしいです。

さんのコメント...

hiyocoさん
私もビーズに何故関心がないか気にしたことはなかったのですが、あれを見ていて気付きました。特に後半を見てから。
トンボ玉は素晴らしいものだと思いますが、あれのやり取りで何千年も、多くの人々が命を落としたり、同胞を売ったりしてきたのかと思うと、魔物に見えます。ものにはいろいろな歴史が詰まっているものですね。
ダチョウの卵自体は珍しいものではないのですが、動画を見て仰天しました。最初にひもに通しておいてから、ずらしながら一つずつ加工し(何千枚も)、そのあとで全体を磨きます。もちろんピースが小さければ小さいほど良いものとされていて、直径は5、6ミリでしょうか。時間があるだけではとてもできないものでした。

昭ちゃん さんのコメント...

大きさがわからないので、、、