2021年11月18日木曜日
おめでとう
日本国際ボランティアセンター(JVC=国際NGO)が、政策提言(アドボカシー)の費用が足りないからと、7,500,000円を目標にしたクラウドファンディングをはじめた時、ちょっと無謀ではないかと思いました。
期間中に目標額に達しない場合、寄付は一切ないというものです。
政策提言はJVCが、緊急救援、開発支援とともに一貫して力を入れてきた活動です。
古くは1990年代初頭に、日本国内で使用禁止になった農薬を、食糧増産の名のもとにカンボジアにODA(政府開発援助)として送ろうとしたのを阻止したことがありました。
農薬援助は、廃棄する以外ないものを、企業から正規の値段で買い上げてカンボジア政府に贈呈するプロジェクトで、企業は助かり、日本政府はカンボジア政府に恩を売れますが、もしそれが配られれば、田んぼからお米だけではなく、魚やタニシなどいろいろ採って生活しているカンボジアの人たちに大きな健康被害を及ぼしたことでしょう。
また、新しくはモザンビークにおいて、入会地として40万人が利用している土地を、日本政府、ブラジル政府、モザンビーク政府が共同で、個人所有ではないことを理由に取り上げて、プランテーションにしようとしたことに、JVCが地元の農民たちと組んで8年間反対運動をしてきた結果、中止させたということもあります。
ほかにも、結果は必ずしも満足できるものではありませんが、現地の人たちとともに、タイ、ラオス、カンボジア、マレーシアなどの熱帯林を守る運動にたずさわったり、イスラエルとパレスチナの子どもの交流を通して相互理解を勧めるなど、さまざまなアドボカシー活動をやっていますが、そのための資金を集めるのは、難しいものがありました。
例えば、学校へ行けない子への奨学金、学校建設、職業訓練、植林など目に見える活動には資金を集めやすいということがあります。
とまれ、今回目標金額に達したということに、喜びを覚えています。政策提言を重要と思って支援した人が多かったことにも、希望を感じました。
また、COP3(第3回国連気候変動枠組条約締約国会議、京都で開かれた)の時からNGOsが主張していた熱帯林の保護が、先ごろ閉幕されたCOP26で、初めて地球温暖化と関連づけて取り上げられたことに、「遅いよ」と思いながらも、熱帯多雨林の破壊にブレーキがかかることが期待できます。
熱帯多雨林は、現地に住む人にとっては大事な生活の場であると同時に、地球の肺でもあるのです。
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7 件のコメント:
今朝みたら800万まで行ったんですね、おめでとうございます!!!
貧困格差が言われる中、単身世代が増えているので、一人当たりの可処分所得が多い人たちが増えていると思います。そうして方々のなかに、未来を考えていて、かつ、ITリテラシーの高い方がある程度いるのかもしれません。
継続的に支援するプログラムに誘導できるといいですね!そして、継続的に活動が繋がっていく…。
こうした非営利活動をされる若者に本当に頭が下がります。
地球の肺…なるほどです。
akemifさん
個人の名前で活動するのではなく、合議を重ねて、地道に困窮している人たちを下支えするNGO活動。こうした活動が評価される世の中が来るのは遠いと思っていましたが今回、ものや箱ものでない活動と知りながら応援してくれた人も多かったよう、よかったですね。
熱帯林は何万年もかかってできあがった生態系で、1ヘクタールに1300種類以上の植物が茂り、動物も含めてお互いに関係しあっています。例えばAという木はBという木の根元でないと発芽しなとか、Cという木は、Dという動物が食べて排泄した種でないと発芽しないとか。
合板にするメランティー(ラワン)は1ヘクタールに3本くらいしか生えてないのですが、それを狙って伐採道路をつくり重機を入れると、生態系がおかしくなってしまいます。最近では生態系がおかしくなるどころか、皆伐されて、プランテーションにされてしまっています。熱帯林では年間6000mlくらいの雨量があり、空気はいつも湿気ていたのですが、今頃は乾燥しているようです。
もう遅いとも思いますが、まだサバ、サラワクの一部、カリマンタンの一部、アマゾンの一部などに熱帯林が残っています。COP26では、ブラジルも熱帯林を残すという決議に賛成しました。世界中から補助金を集めても、残さなくては、取り返しがつきませんね。もう遅い気もしますが。
春さん、いつもありがとうございます。
何万年もかかって・・・そうなんですね。なんか、直感的に手遅れな気がしてきました。
ここ数十年でそれらを破壊してきたおかげで、ノンビリ生きてきた自分。
いつも当たり前にあるものが、当たり前ではないという感謝の念を忘れずにと思っています。
akemifさん
三菱が25年ほど前にメランティー(ラワン)の植林を試みました。でも確か1000本植えて3本くらい発芽したんだったかしら、人間の考えることなんてたかが知れてますね。
紙はどこから来たの?何にでも入っている乳化剤はどこから来たの?私らの場合は、工具はどこから来たの?(笑)などなど、いろいろ考えると、確かに感謝しかありません。
日本が犯そうとしていた罪を阻止してくれたNGOに感謝です。
毎月、ZOOMによる某建築家の連続講座を視聴していると、人類が地球環境に及ぼしている罪とその罰の顕在化が益々顕著になって来るであろうこれからを考えると絶望的になります。
「省エネでなく省資源」
「大量生産・大量消費から高耐久・低消費へ」
「機械や工業材料に極力頼らないパッシブな暮らし」
が提唱されていますが、それらに反した生活にどっぷり浸かって生きて来てしまった私達が方向転換できるのでしょうか。
reiさん
オフグリッドにするにも、強力なバッテリーが必要、そのバッテリーをつくるにはどのくらいのエネルギーが要るのかなどなど、エコな暮らしをと考えても実際は大量生産大量消費生活からなかなか抜け出せません。
明るく、できることからやっていく以外ありませんね(笑)。
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