2021年11月5日金曜日

壁張り

このところずっと、壁を張っています。


壁材は30ミリ厚の、あらかじめ本実(ほんざね)加工してある杉板です。
場所によって、壁の幅(板の長さ)が違うので、無駄なく木取りするために、まず幅の広い壁から取っています。
一番幅の広い壁は約210センチあるので、4メートルの材から1枚しか取れません。その残りで、約118センチ、約111センチ、約73センチなどなど、いろいろな幅の板を組み合わせて、切り落としができるだけ少ないように木取りします。


我ながら感心することに、これまでに10センチ以上の端材は1枚しか出していません。中には、余材がたった5ミリという木取りもありました。
どう組み合わせても、残念ながら約1ミリ足りないときはどうするか?実際そんな場面もありましたが、そんな時はスパッと諦めて、別の木取りをします。


幅が広い壁は、板の重さもかなりあります。
作業中に落とすと大変なので、幅はぎりぎり、重い玄能で叩き入れないと入らないほど、きつきつの長さに切っておきます。長いクランプを垂らしておいて、何とかそれに引っかけ、クランプを締めながら、両端を叩き入れていきます。
こんな時は手が3本欲しくなりますが、ないので、膝や足も駆使します。


この壁の場合、2メートル以上のクランプがないので、最後の数枚はクランプなしで作業します。


板は下から細いビスで留めるのですが、足場が悪いと力が入りにくかったり、ビスを打つところが見えにくかったりして、ビスをうまく打てません。
ビスを打つ位置が高すぎても低すぎても、インパクトドライバーにうまく力を伝えられないのですが、卓上での作業のように最適な環境をつくることは、まず無理なので、身体を添わせる以外ありません。


幅の広い壁が優先、幅の狭い壁は後回しにしているので、端から完成とはいきません。壁張りは虫食い状態で進んでいます。
上の写真の左の壁は、両脇の「枠」の下端の位置に揃えて、幅の狭い板を1枚入れれば完成です。凸凹の実のある板を割るので、使わないで残った方の板には凸の実はなくなります。
長い目で見れば、なんだかんだで凸の実のない板も使うとは思いますが、当面もったいないので、数が多くはないので、自分で実加工して使うつもりです。




 

2 件のコメント:

af さんのコメント...

歩留まり最高で、木が喜んでいますね!
こうして、ブログを拝見して、大工加工手間を知ると、施工費用がかかることは当然ですね~。
本当に本当に、すごいなぁ・・・

さんのコメント...

akemifさん
大工さんだったら、「3倍貰ってもやりたくねぇ」と言うところが、自分だったら楽しめることがあります。akemifさんも楽しんでください(^^♪
もっとも昔の大工さんは手間暇惜しんでいたでしょうね。腕を見せるというのがあったでしょうから。

ただ、この辺りに多い昭和から今もつくられている伝統的なスタイルの家は、こけおどしというか成金趣味というか、ケヤキの大きな一枚板を使ったとか、玄関を格天井にしたとか、床柱にお金をかけたとかで、見せびらかしが多く(笑)、裏の見えないところとか使い勝手はどうでもいいという精神だったりします。
おもしろいですね。