「どこへしまったかなぁ、ずいぶん売れたんだけど、1つ残しておいたんだ」
骨董市で、おもちゃ骨董のさわださんが、わざわざ残してくれていたという招き猫を、あちこちひっくり返して探してくれました。
「ここに、達磨があるでしょう。これと同じだけど招き猫で手を挙げているの」
達磨のストラップは、全然かわいくありません。招き猫もどんなものか、と全然期待しないで見ていたら、とうとう見つかりました。
「あらっ、高崎張り子猫だ」
木の枝を半分に割ったところに焼きごてを当てて猫を描き、紐を回して大きな鈴をつけ、おそらく車のルームミラーに吊るすものとしてつくられたのでしょう。
曲面に焼きごてを当てるのは、技術が要りそうです。
裏には「招福厄除」の焼き印があり、顔は高崎張り子の顔をしているし、達磨もあったので、毎年お正月に開かれる高崎だるま市で売られていたものかもしれません。
だるま市は毎年、1月1日と2日、もうすぐです。
養蚕が盛んなころ、蚕の敵であるネズミ避けとして張り子の招き猫がつくられるようになったと言われていますが、養蚕が廃れて、招き猫は交通安全に駆り出されたのでしょうか?
そういえば、ルームミラーに何かをぶら下げている車を、あまり見かけなくなりました。
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