2010年7月2日金曜日

小判乗り招き猫



普通、招き猫と言われて、ぱっと思い浮かぶのは、小判を持った、身体の割合に顔の大きい招き猫ではないでしょうか。
かつては、大衆食堂の、商品見本の入ったガラスケースの中とか、お蕎麦屋さんの、ちょっと高い棚の上などに、煤けて鎮座していました。
しかし、小判を持った招き猫の歴史は以外に新しく、第二次大戦以後に出現したようです。




日本生まれの招き猫は、この二十年、他のアジアの国々にも広がりました。
中には、定番の、「千万両」の小判を持った招き猫もあります。ただ、中国製の招き猫(右)は、漢字の国ですから、問題ありませんが、タイなどでつくられた招き猫(左)には、怪しげな文字も見られます。これは、プノンペンの市場で買った招き猫ですから、タイではなくて、ヴェトナムでつくられたものかもしれません。




ちょっと昔の招き猫は、控えめに、「百万両」の小判を持っていました。
私は、「億万両」の招き猫も持っていましたが、地下の物置に積み上げておいたとき、誤って割ってしまいました。あまり欲張るなとの戒めかもしれません。




そんな、小判を持った招き猫より数段欲張りな、小判乗りの招き猫もいます。
1997年、招き猫の日を記念して、日本招猫倶楽部によって復刻された、小判乗り招き猫です。高さは18センチです。
オリジナルは、昭和初期につくられましたが、廃絶したそうです。これは、日本招猫倶楽部を主催する、坂東夫妻のコレクションの中から、復刻されたものです。




こちら、新しいものですが、たくさんの小判に乗って得意そうです。




スタイルは古そうですが、これも新しい招き猫です。




骨董市で買った、高さ4センチの小さな小判乗り招き猫です。ちょっと見にはわかりませんでしたが、手に取ると、小判に乗っていました。




最後は、小判乗りと言うより、小判よじ登りの招き猫です。日本招猫倶楽部によれば、どこかの銀行のつくったものではなかったかということですが、はっきりしません。開運渉と読めます。近所の骨董市で見つけました。




これ、後姿もかわゆく、お金がしっかり貯められるように、大きな穴が開いていますが、取り出し口はありません。たくさんの小判よじ登り招き猫が、叩き割られたのでしょうか?

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