繊細で、高度に洗練された
堤人形の対極をなす土人形と言えば、福岡県の赤坂人形でしょうか。
土人形は、土や石膏でできた型の内側に粘土を貼りつけて形づくり、型から抜いたものをくっつけ合わせてつくります。
形になったとき、どこが合わせ目か、わからないように仕上げるのが普通ですが、赤坂人形は、合わせ目がはっきりとわかります。
鯛焼きは、焼いているうちにふくれて、型からはみ出すことがありますが、人形の型に貼りつける土の量は、簡単に調節できます。型の縁をしっかり決めると、バリははみ出さないはずですが、赤坂人形は全体にバリがはみ出したまま、焼成してつくります。
初めて土に触る素人でも、もっときれいにつくれそうですが、長年つくっていて、手馴れているのに、こんなとぼけた味を出すのは、もしかしたら、とても難しいことなのかもしれません。
馬。
浄瑠璃か義太夫を語っている、狐と猿。
猿の顔を見ると、型は、なかなか細かくできているのがわかります。しかし、できあがりは、こんなにざっくりしています。
素焼きの上に塗った胡粉は真っ白でしたが、年月が経って、はげ落ちています。彩色は、鮮やかな赤と緑、そして黒です。
私のお気に入りの獅子かぶりです。お獅子の歯は金色に塗られていましたから、新しいうちは、いやでも金歯が目立っていました。
数十年経って、金歯の色はすっかり褪せました。私も、獅子かぶりも年をとりました。
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