2010年7月3日土曜日

欄間



家ができたら欄間にしようと、骨董市で、古い建具や組子を少しずつ、買いためていました。

いざ、壁ができて、床もできたとき、いそいそと組子をはめてみましたら、がっかりしたことに、あまり似合いませんでした。我が家は天井を張らないで、梁や母屋が見えているせいか、二分(6ミリ)ほどの太さの組子の材では、細くて、華奢すぎるのです。

というわけで、自分で欄間をつくりました。材の太さは七分(2.1センチ)、厚み(奥行き)は一寸(3センチ)、格子の大きさは、場所によって少しずつ違いますが、5センチくらいです。

組子をつくる建具屋さんや、組子屋さんは、今では、数字を打ち込むだけでコンピュータが計算して、勝手に刻んでくれる、素晴らしい機械を持っています。
もちろん我が家にはそんな機械はありませんから、つくりたい欄間の大きさを決めて、それを何等分するか計算して、印をつけて、いちいち丸鋸で切れ目をいれ、ノミで落として組みました。




面倒でしたが、つくり変えて、よかった。材が太い方が、やっぱり似合いました。




土間入り口には、プノンペンで買ったインドネシアの木彫りを、欄間に見立ててはめ込みました。
その木彫りは、一枚の板を彫り出したもので、形はおもしろいけれど、木が古くなり、軽くなっていて、ちょっと力を加えると簡単に壊れそうなものだったので、運んで来たときは、神経を使ったものでした。

以前は、壁に掛けていましたが、梁のあいだにぴったり納まって、まるで我が家を支えてくれているかのようです。写真ではよく見えませんが、人物の頭は黒く彩色してあります。




けっきょく、骨董市で手に入れた組子のうち、実際に使ったのは、二階の本棚の左右の隙間の、二ヶ所だけでした。
桟の間隔が狭いものですが、分解して、幅と長さをあわせて、組みなおしました。ここだけは、しっくりと納まりました。

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