2021年8月7日土曜日

ついで、『精霊の守り人』の衣装も楽しむ

この前の籠についで、『精霊の守り人』の衣装あれこれです。
reiさんのお話では、放送時(2016~2018年)には衣装が話題になっていたそうです。本当だ!ネットにもたくさんの画像やら、制作されたときの裏話などがありました。
衣装をデザインした人は、飛鳥時代から平安時代を想定した、でも世界の民族衣装も取り入れて、どの国でもない衣装をつくったそうです。



庶民の衣装は、ざっくりと太い糸で織った、手織り(手織り風?)の布が基本です。呪術師のタンダの襟元にはアイヌ模様の縫い取りが施されていますが、タンダだけでなく、ほかにもちらほらとアイヌの縫い取りを見かけます。



槍の遣い手バルサは、コートやショールの下には、革を固く平織りにしたチョッキを着ています。刃から身を守るためのものと思われます。
カンバルの「王の槍」たちも、同じものを着ていました。
腰に巻いている布は、二重織り(あるいは紋織り)と思われます。


街の人たちも、ざっくりと織った衣装を着ています。
ドラマにも羊がたくさん出てくるので、ウールが基本、わりと寒い地方なので、麻をはじめとする草の繊維が最も一般的で、木綿はなかったか、あっても貴重品だったと思われます。もっとも架空の国の、架空の時代のお話ですが。


アスラに織物の手ほどきをする、服屋の店主のマーサ(中央)の襟元の藍染めの布は、タイの絣に見えますが、ちょっと精巧すぎるか、これも紋織りかもしれません。


アスラのワンピースは、模様のある布に刺繍してあります。一つ上の写真で見るように、ワンピース全体が無地ではなく模様入りの、凝ったものです。
昔は、染めものより刺しゅうを施す方が、ずっと楽に模様をつくることができました。
中南米のイメージかと思います。


インドネシアの絣織りイカットは、随所に使われています。


その、イカットの使い方もなかなかです。

庶民ではなく王や帝は、このドラマのためにつくられた、さらに豪華な一点ものをまとっています。


自らを神の子と信じている新ヨゴ国の帝の衣装、水をあらわしたような染めものです。


その、長い裳裾の美しさ。木綿か絹か。
たった1日でもこんな衣装でこんな場所に座っていたら、息苦しさで死んでしまいそうです。


ロタ国の王宮は、衣装もお城もイスラム風、といっても、敷いてある布はインドネシアのものでしょう。


アラビア文字風の壁飾りまであります。


ただ、先王の弟イーハン(左、のちに王)は野性的な人、アラビア風ではない衣装を着ています。


南の国々の人たちは、王子もその家来たちも抽象的な模様をアップリケした衣装を着ているのだと思っていたら、どうやら西陣で紋織り(錦織り)にしたものだったようです。


カンバル国のログサム王の衣装です。
模様が小さいし、王宮内は暗いのではっきりとはわからないのですが、藍染めの絞りか糊染め、まさか絣ではないでしょうね?
布はざっくり手織り布のようでしたが、どう染めたのか、まったくわかりませんでした。


全体が藍に白が飛んでいるのではなく、途中で白のぼかしが入っています。
惜しいことでログサム王は暗いところにばかりいて、よく見えないのですが、機械ではつくれない、手仕事の布に見えました。
もしかしたらこのなかで、一番豪華な衣装だったのかもしれません。


最後に、衣装展示会が催されたときの写真。
奥から新ヨゴ国の帝の狩人(陰の殺し屋)の衣装、ロタ王イーハンの衣装、用心棒バルサの衣装、新ヨゴ国の皇太子チャグムが王宮を逃れてバルサとともに旅をした時の衣装、そして皇太子であったときのチャグムの衣装です。
皇太子チャグムの衣装は、三蔵法師をイメージしてつくったそうです。






2 件のコメント:

rei さんのコメント...

登場人物一人一人の衣装や髪型にもこれだけ拘っていたのですね。画像を見ただけで、布の種類まで言い当てる春さんも凄い。映像も本も観(読み)返さなくては。前回とはすっかり違った目になっているでしょう。

春さんの文章の中の「縫い取り」と言う言葉が懐かしかったです。呉服屋を営んでいた母が良く口にしていたので。

さんのコメント...

reiさん
3年(もっとかな)の月日をかけた考察とセンスと遊び心とお金があってはじめてできる世界。NHKには何かと批判もありますが、夢を映像で見せてくれるという意味では素敵です(^^♪
映画だと、どんなに凝っても短くなってしまうし、そぎ落とすから「遊び」は入れられないだろうから、デザイナーの個性を見せつけられている感じになりますが、『精霊の守り人』の場合、役者さんも一体になって、出来上がった世界がよい味を出していましたね。
ちなみに、『アシガール』もよかったですよ(笑)。戦国時代、まだ模様をつくるなら絞りが主流でしたが、男たちがみんな絞りの素敵な着物を着ていました。