2011年7月3日日曜日
手づくりのお雛さま
妹一家と一緒に住んでいる母のところを訪ねると、まず自室に招き入れられました。
そして、桐の箱に入った、母のつくったお雛さまを持って行けと言います。
「どうして?もう持っているから、いいわ」
母のつくったお雛さまは、以前ブログにアップしたものの他に、母が初めてつくったものも持っています。
すると母は、妹がプリントアウトしてくれたという私のブログのコピーを取り出し、
「だってこれ、まるでどてらを着ているみたいじゃない」
と、自分のつくったお雛さまの写真を指差します。
考えてもみませんでしたが、そう言われれば確かにどてらにも見えます。
「写真の撮り方でそう見えるのよ。気にしないで」
と言ったのですが、母は前から、その写真がよほど気になっていたようでした。
「いいから、持って行って」
と譲りません。負けました。
桐の箱を開けてみると、私の持っているお雛さまより、全体に小ぶりのものが入っていて、飾り方の説明までついていました。
母としては、このお雛さまは、桐の箱と屏風とセットで飾るべきで、箱も屏風もない私の飾り方に意義を唱えたかったのでしょう。
正しい飾り方は、この写真のようです。
母は洋裁をよくしましたが、どこか雑なところがあります。
綸子をパッチワークしたきれいな袋物をつくっても、裏地が父の着古したワイシャツ地だったり、ちりめんの巾着をつくっても、紐がお菓子の箱についていた化繊の紐だったり、それまでの労力を台無しにするようなことを平気でします。
何枚も寝間着やもんぺを縫ってもらいましたが、着心地が全部違います。寝間着は型紙もつくらずに断つし、もんぺは布どりのところで、四枚はとれないから、普通は三枚であきらめるところを、あきらめないで無理やり四枚とったりするので、幅が細くなったり、丈が短くなったりします。
逆に布がたっぷりあるとき、必要以上に長めにとるので、長すぎるものができたりすることもあります。
お雛さまも、どれひとつ同じではありません。
また、このお雛さまの菱餅は、ちりめんではなくてフェルトでできています。
まだ、元気につくっていたころ、
「菱餅もちりめんでつくったら」
と助言したことがありました。
しかし、
「めんどくさい」
の一言で片づけられてしまいました。
母を訪ねた目的の一つに、妹の連れ合いのやすおさんから、彼の姉上の遺品の木目込みのお雛さまを譲り受けるということがありました。
「ついでに、これもよかったら」
と用意されていた、細々した人形たちの中に、母がつくるのと同じ方法でつくったお雛さまがありました。母のを見て、やすおさんの母上がつくったものでした。
それにしても、髪がめちゃくちゃ立っているので、
後ろで、まとめて綴じつけたら、すっきりしました。
いただいた、木目込みのお雛さまは、まだ中を開けて見ていません。
どんどんお雛長者になっていますが、これでいいのでしょうか?
左は、「どてらの」お雛さまです。ひな壇の大きさが同じなのに、お雛さまの大きさは、ずいぶん違います。
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