ずいぶん昔から持っている、ちょっと大き目の籠があります。
すかすかですから、穀物などは入れられず、もっぱら裁ち落とした余り布など入れて、そこいらに転がしたままになっています。
縁と底に回した太めの竹は針金で綴ってありますからそう風情はないのですが、竹ひごの削り方がちょっと面白いのです。
真ん中だけ、竹の皮を残して、両脇を斜めに皮をはぎ落としています。
防虫のためにわざわざ燻したのか、あるいは古いもので、かまどの上で燻されてしまったのか、皮を削り取ったところだけ、濃い色に染まり、ひご一本一本が縞模様に見えます。
底も、なかなか面白い編み方です。
こんなひごのつくりかたは、フィリピンだと思いますが、どの島でしょう?
フィリピンは竹だけでなく、ヤシの葉、ラフィア、ラタンなどなど、いろいろな材料で籠をつくる、籠細工の宝庫です。
光が透けると美しいのですが、電球の笠にするには、ちょっと大きすぎます。
というわけで、お役定まらずの、「どこにもしまいようのないもの入れの籠」として、今日も窓のあたりでごろごろしています。
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