2015年4月19日日曜日
エチオピアの木枕
二本脚で、しかも自立もやっとのエチオピアの木枕ですが、枕として使うと意外と安定し、使い心地がよいものです。
でも、椅子として使おうとすると、横座りではどう気をつけてもひっくり返ってしまうので、またぐように座らなくてはなりません。
またいで座っても、ぐらぐらしてしまいます。
どんな人が使った枕か、勝手に想像してみます。
山羊か羊を追って、どこまでも旅する人が、野営のための毛布を畳んで肩に掛け、その上にこの椅子を乗せて、広大なテーブル台地を歩いている姿が思い浮かびます。
もっともテーブル台地には雨季には畑が広がっているのでそれを除け、テーブル台地の段差のところ、1000メートル以上高低差のある崖を、軽やかに登り降りしているのかもしれません。
この木枕は、肩に掛けただけで安定します。
でも、急な斜面を登り降りするときや、走るように歩く時は、尻尾のように出た部分を手で押さえると、もっと安定したことでしょう。
エチオピアやソマリアには、木工の巧みな人々が住んでいますが、今では森の面積が減ってしまっています。
というのも、生きるための、村の燃料は木だからです。
しかも、特に北部は標高が3000メートル以上の土地に村が点在していますが、そんな土地ですから木の生育は遅く、切ってしまったら小さな木が生長するまで、ものすごく長い間待たなくてはなりません。
エチオピアは、深刻な森林不足を何とかしたいと、150年ほど前に、オーストラリアから、生長の早いユーカリを導入しました。いまでは、目立つ大木はユーカリばかり、しかしそれでなんとか息をついているのが現状です。
さて、エチオピア在来の木で、とっても有用で素敵な木はヒバですが、現在ではそうヒバの大木を見ることはできません。
大きく育ったアカシアの木は、「聖なる木」として、ところどころで見かけます。
日本の鎮守の森と同じ考え方ですが、聖なる木として崇めれば、切られることを免れます。
もっともわりと大きな木の近くで火を燃やして、木を傷めているのを見たことがあります。聖なる木であろうとなかろうと、枯れた木なら切るしかないだろうと、時間をかけて枯らそうとしているのです。
それほど、燃料問題が切実であると言えます。
広大な土地で、もう一つ目立つのは、クワ科のいちじくの木です。
この木は、熱帯のボダイジュやベンガルボダイジュ、ガジュマルの仲間ですが、成長も比較的早いし、あまり木工には適していないかもしれません。
それでもいちじくの木は、たくさんの鳥たちを養っているのです。
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2 件のコメント:
こんばんは。
木枕、素敵な姿ですね~
こんな枕で寝てみたいなあ。
自分で作ってみたいし!!
しまとかげさん
もう少し幅が狭くて背の高い枕は、寝心地がそこそこですが、これは寝返りも打てるし気持ちいいです。軽くて持ち運びできるというのも、木枕の一つの要素だったのでしょう。
木のものは使うと表面がつるつるになったり、身体の脂が浸みこんで、「育つ」ところがおもしろいところです。
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