でんぐりを知っていますか?
今では、中国製の単純なものをときおり見かけるだけになりました。
でんぐりとは、厚紙が二枚、その間にハニカムペーパー(蜂の巣のように貼り合わせた薄紙)がはさんであり、厚紙には、それぞれ棒がついているものです。
一本の棒を、360度動かして、厚紙の外側と外側をぴったり合わせたら、きれいに色を染め分けたハニカムペーパーが表れます。
夢のような美しさです。
それでも、ただ360度広げるだけのでんぐりは、もっとも単純なつくりのものです。
これはただの四角い外観、脇にちょっとハニカムペーパーがはみ出しています。
少し広げたときに見える部分は、このまま広がらずに、さらに外にでんぐり返り、その下の別のハニカムペーパーが見えてきます。
うぅん、お見事。あの、ただの四角から、まさかの立体が現れます。
一度、七夕飾りをつくりたいと思ったとき、ハニカムペーパーを買い、ハニカムペーパークラフトの本も買って、とっても単純な、球になるだけのでんぐりをつくってみました。
ところが、切るのも大変、貼るのも大変、色を染めるのも大変、適当な厚紙を選ぶのも大変。しかもできたものが、ゆがんでいて、美しくない!全然思い通りにはいきませんでした。
やれやれ。
これは、この中ではもっともダイナミックに変化するでんぐりです。
ちょっと開いたときに見える部分は、外にでんぐり返ります。
そして、大きくて美しいベルができるのです!
ベルの中には厚紙の芯がないので、ベルは神秘的にさえ見えます。
いったい、こんなものを考え出したのは、どこの誰だったのでしょう?
6 件のコメント:
こういう飾りがあったのは知ってましたが、「でんぐり」という名前は知らなかったです。
それにしてもベルはすごい工芸品ですね。どうなっているんでしょうか?不思議です。
karatさん
普通、簡単なのはアコーデオンのようなハニカムが開くとき、中心部は縮まったまま、端だけが全開します。
ところが、二つ目と三つ目は、二つのハニカムが、広げるにつれて外にひっくり返ります。中心のハニカムが左右のハニカムを押し上げるので、自然にひっくり返るのですが、ちょっと手を添えて外に向けてやると、ひっくり返り易くなります。
原理はそうですが、こんなきれいな形をどうやって考え出したか、そのことに驚いてしまいます。いろいろやっているうちに偶然できたのか、それとも緻密な計算の上にできたのか、たかがおもちゃ、されどおもちゃ。おもしろいです。
懐かしい~!!!持っていました。開いた時に「わぁ~」って思った感覚が蘇ります♪
私も名前初めて知りました。
持っていたのは単純なものだったと思いますが、2個3個のハニカムがあるのはなんとも不思議な感じです。車のでんぐりは、外観と中のギャップが大きいですね!
hiyocoさん
車のでんぐりは、見た目の「子どもの受け」をねらったんじゃないでしょうか。植木鉢とかだったら、開いたら花が咲いてぴったりですが、閉じて売るときのインパクトがない。そこで子どもの好きな車にしたと読みました(笑)。
確かに、閉じているときは、車のが一番絵になります。他のものは驚きが大きいとはいえ外は地味。今だったらきっと、外に可愛い絵を描くとか、もっと派手にするでしょうけれど、それをしていないところが、味になっているのかと思ったりもします。
今気が付きましたが、3つ目のでんぐりにはちゃんと「でんぐり」と書かれているのですね。3つとも昔買ったものなのですか?
hiyocoさん
いえいえ、おもちゃ屋さんのデッドストックです。おもちゃ屋さんのデッドストックは、骨董屋さんの店先にいろいろ出てきますが、今の時代のおもちゃもこうやって、50年後、100年後には懐かしがられるのでしょうか?
人は物づくりでできるだけ手をかけようとした時代もありましたが、近代は手を抜こう抜こうとしてきました。手をかけているものの方が暖かい感じがするのは否めません。そのうち、プラスティックも過去のものになるかしら(笑)?
あっ、そういえば杉浦日向子の本に、江戸時代は原則注文製作で、一つも無駄なものをつくらなかったので250年も太平が続いたとありますが、おもしろいですね。経済成長ゼロです。
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