2021年10月11日月曜日

真壁構造の壁

現在、建てられている家の壁は、ほとんどが「大壁」と呼ばれるものです。
ハウスメーカーの家は、外だけでなく、室内からも柱はまったく見えません。日本伝統の木組みを大切にしている建築家でさえも、室内では柱を見せても、外は大壁で覆ってしまいます。その方が断熱工事が楽だからです。
私も柱をないがしろにする大壁は好きではありませんが、夫は大っ嫌いです。日本に建てるなら、日本の伝統的な形を踏襲したいと思っているのです。というわけで、我が家には大壁はありません。で、工夫しなくてはならないのが断熱です。
母屋の場合、柱の太さは120ミリです。外から43ミリのところに厚みが55ミリの間柱を取りつけました。すると、内側には22ミリ残ります。
母屋の時は、外には壁板の落とし込みの溝を彫っていたので、30ミリの壁を落とし込み、55ミリ厚の間柱の間に、厚さ100ミリの羊毛の断熱材を押し込み、内側には13ミリの板を張りました。板壁だけでなく、漆喰の壁にしているところもありますが。
つまり、断熱材の厚さは圧縮されて、55ミリとなりました。


今回は、枠をつくって壁厚を55ミリ広げています。外に出ているのが枠で、手前が間柱、間柱は90ミリあるので、90ミリ厚の断熱材を入れることができます。
枠の下端が3センチ土台にかかっているのが、夫の設計のよいところです。


枠は下端をこんな形に切り込んでいます。


ちょっと面倒なのは、上は決まっているのに、下が決まってないことです。下を決めて、下から壁板を張っていくこともできますが、上から張る方が素直です。


というわけで上から張っていますが、壁板が長いものは大変です。


枠ぎりぎりの寸法に切っているので、入りにくいのを叩き込むのですが、重力があるので、油断すると落ちようとします。まずロープで縛って落ちないようにしておいて、叩き込むたびにロープをきつく結び直し、所定の位置までたたき込んだらクランプで留めて、サネの中にビスを打ちます。


こんな感じに、斜めに壁板を留めます。


少しずつ進んでいます。








4 件のコメント:

af さんのコメント...

今回の投稿で、母屋の断熱と新屋の断面の違いが、はっきりとわかりました!!!

面倒なことに上は決まっているのに、下が決まってない、というのはどういう意味でしょうか?
上が決めてあって、下を決めていないので、上から貼って行って、下で調節できるようになっているということかなと思っていたのですが・・・。

うちは、窯業サイディングをバチンバチンと留めた外壁なんですが、本当に木っていいですね・・・。
できるだけ木を使った家がいいなと思います。ウッドショックの高騰が気になってはいましたが、昨日、茨城県木材協同組合連合会というところの偉い人とお話する機会があって、状況を伺ったところ、もう大丈夫と言っていました。木は十分に製材所に集まっていて、製材所での加工を待っている状態だと言ってました。製材所が追いついてないだけで、ピークは過ぎたと思うとのこと。ただ、集成材はコンテナ待ちだから、もう少しかかるだろうとのことでした。



さんのコメント...

akemifさん
テラスのあるところないところがあり、壁の下端をどう収めるか、設計者はまだ決めていないようです。
あと、開口部のサッシとの取り合いもあるし、アクアレイヤーの収まり方とか、まだまだ床辺りは外と中を考えて詰めなくてはならないでしょうね。
とりあえず上は決まっているので、上からやったというところです。重力の問題があるだけで、それも幅が短いのは問題ない、楽しくやっています。
ただ、これを大工さんにお願いするとしたら、サイディングをパチンパチンと止めるよりは手間かもしれません。中には面倒なことを楽しむ大工さんもいるとは思いますが、一般的な大工さんはそうではないかもしれません(笑)。

af さんのコメント...

なるほど、よくわかりました。すっきりしました~。

さんのコメント...

akemifさん
木は融通が利くので、楽しくやれます。これが、コンクリート相手とかガラス相手だと彼らは一歩も譲りませんから大変ですが。