2022年3月9日水曜日

はだか雛


アンティークやビンテージのものを扱っているお店アンタイディーで、ときおり郷土玩具が紹介されるのを楽しく見ています。そんなアンタイディーで、ちょっと前に大阪住吉神社のはだか雛がUPされていました。
はだか雛の存在は、ずっと昔から知っていて、住吉神社にも2度ほど行ったことがあるのですが、私は持っていませんでした。手びねりでつくるはだか雛は、つくる人によって全く違ったものができます。形とか表情とか、これまで一度も欲しいと思ったことがなかったのです。
しかし、アンタイディーのはだか雛は、なかなかかわいいものでした。


『日本郷土玩具事典』(西沢笛畝著、岩崎美術社、1964年)の載っているはだか雛は、こんな感じです。



ネットで見たはだか雛には上のようなのがありました。

住吉神社は、江戸末期からいろいろな授与品をつくってきました。それらは大阪らしいというか、現世御利益、つまり子孫繁栄と商売繁盛をめざした授与品ばかりです。


子孫繁栄といえば性にまつわるもの、奥左はむつみ犬、右は種貸しさんです。
しかし、これらがそうエロくもグロくもなっていないのが住吉神社なのです。


むつみ犬は学生時代に大阪で買ったもの、


種貸しさんは、おそらく八郷に来てから、骨董市でどなたかの段ボール箱の中から見つけたものではないかと思います。
私の持っている種貸しさんは、あまり手びねり感はありませんが(今では型でつくられているのか?)、



古い種貸しさん(『日本の土人形』俵有作編集、薗部澄写真、文化出版局、1978年)を見ると、手びねりらしさが出ています。


それにしても、裸のお雛さまをつくって神社で授与し、あっけらかんと受け入れられてきたというのは、なかなか面白いことです。






 

2 件のコメント:

かねぽん さんのコメント...

おはようございます。
土人形沼も底が深いですね。
アキラ100%さんのお盆芸はこれが元ネタなんでしょうか。

さんのコメント...

かねぽんさん
土人形は子どものおもちゃであると同時に、信仰とも結びついてきたので、「子宝が欲しい」という強い願望がかなうようにと、性的な表現の土人形が各地でつくられてきました。ただ、グロいのが多く、私の関心の外にあります(笑)。
学生時代、熊本で「木の葉猿」の窯元に案内してくれたおばちゃんが、どれにしようかと見ていると、「ほれ、これこれ」と、性的なのに注意を向けようとして困ったことなどありました(爆)。東南アジアやインドのリンガは、どこで見ても全く平気なんですがね。
アキラ100%さんのネタは、かつてはどこにでも転がっていたんじゃないですか?(笑)