マンゴスティンは、素敵な熱帯の果物です。
硬質の実を、横半分にちぎるように、両手で持ってねじると、外皮だけが割れて、
中から甘酸っぱい、柔らかい小房が出てきます。
マンゴスティンの実の先端には、花びらが並んだような形の突起があります。そして、その突起の数だけ、小房が入っています。五つから、七つくらいでしょうか。
タイでは、マンゴスティンを模した小箱がよくつくられてきましたし、今でもつくられています。
その昔、日本の茶の湯の世界では、タイから渡ってきたマンゴスティンを模したスワンカローク焼きの蓋ものを、宋胡録(スンカロク)柿香合と呼んで珍重しました。
日本人はマンゴスティンは見たことがなかったので、柿だと思ったのでした。
これはスワンカローク風につくられた蓋ものです。直径20ミリほどの、小さな焼き物です。
スコータイ時代(13世紀-1438年)に、スワンカロークで、こんな焼き物(もう少し大きいもの)が盛んにつくられました。
打ち出しのマンゴスティンの底には、ちゃんと突起もつくられています。
水戸のmurakaには、木彫りや漆塗り、銀細工のマンゴスティンなどに混じって、本物のマンゴスティンを乾燥させ、中に小さな打ち出しの金属の器をはめ込んだ蓋ものがありました。
タイ人は、ほんとうに面白いことを考えるものです。
ココヤシの器や匙も、パルメラヤシの蓋ものも素敵ですが、マンゴスティンの蓋ものも素敵でした。
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