2020年4月23日木曜日

布の整理

懸案事項の一つ、地下室の布が入った箱の整理をすることにしました。
箱の中は安全だろうと、長年放置していましたが、湿気の多い地下室のこと、できたら早く別の場所に移した方がいいに決まっています。


このような箱は、柳行李よりは後の時代ですが、まだ段ボール箱がない時代で、移動、とくに外国に荷物を送るときの必需品でした。


この中に、主には無地のシーチングの色布を入れています。
箱を開けると、ちょっとかび臭いにおいがしました。このまま片づけるわけにはいかないので、たくさんありますが、全部の布を洗濯することにしました。


洗濯機はその日、5回もまわしました。


これはもう、3回分ほど洗濯機を回した後の布の山です。


洗濯は洗濯機任せですから簡単ですが、面倒だったのはアイロンかけでした。
乾いてからアイロンをかけるよりは楽だろうと、洗濯機から出した布にアイロンをかけてから干したのですが、洗濯機1回分の布にアイロンをかけるのに、1時間くらいかかりました。
ということは、5回分ですから約5時間、じっと立っているのは圧迫骨折している背骨にひびき、連続してはアイロンをかけることは、到底できませんでした。
それでも休み休み、何とかアイロンをかけ終わりました。


これは、まだ洗濯機1回分の布、鼻歌交じりのときの写真です。
これから、雨が降りそうだったので物干しは室内に移し、残り4回分の布にアイロンをかけ、干場がなくなったので、あちこちに布を何枚も重ねたりしながら干し、終わった頃には日はとっぷりと暮れていました。


さて、箱もまた、きれいに掃除しました。


とは言え、金具はすっかり錆びてしまって、錆び取り油を吹きかけて磨いたのですが、そんなにはきれいになりませんでした。

1960年代、どの町にも布屋さんがありましたが、それは服をつくるための布屋さんでした。夏は服用の木綿を売っていましたが、冬売っているのはウールやビロード、コーデュロイといった厚手の布ばかり、年間を通してパッチワークなどの細工用の木綿布を売る店はありませんでした。
1970年代になると、冬でも輸出木綿の余りを売る小さいお店が現れました。ただし、全部ブロードと呼ばれるのツルツル光った布で、どぎつい色ばかりで色数も少ないもので、欲しい色が全部そろうというわけではありませんでした。
当時は幼児を抱えて外に出ることができず、家でパッチワークをつくっていましたが、シーチングのような、光らないしっかりした木綿の色布が欲しいなら、そのころ流行っていた染料ダイロンなどを使って、自分で染める以外ありませんでした。

そんな中、次々とパッチワーク需要などを念頭に置いた木綿屋さんができてきました。
そんな木綿屋さんの一つKから、シーチングの色布を売りたいのだけれど、色出しを手伝って欲しいと言われ、20色ほど色を出してあげたことがありました。謝礼は要らないけれど布が欲しいと言っておいたので、2メートルずつだったか3メートルずつだったか、全色の布をいただきました。たぶん、日本初(もしかして世界初?)のシーチングの無地の布が、お店で販売されたのでした(それまでも、当時出はじめた既製服の中にはシーチングに似た生地を染めて仕立てたものもありました)。


箱に入っているのはその残り布ですが、手元には、20色ではきかないほどいろいろあるので、その後もKでは新しい色のシーチングを売り出し、私はお手伝いしなかったのに新しい色の布もいただいたものと思われます。
そのKも、昨年だったか一昨年だったか、お店を閉めてしまいました。木綿屋さんが一世を風靡した時代が終わったのでした。






13 件のコメント:

hiyoco さんのコメント...

うーわ、こんな量の生地の洗濯とアイロンがけ、気が遠くなります。お疲れ様でした。
布地にもいろいろ歴史があるのですねー。もう今はそんなに新種の布地はないでしょうか?私にとってはフリースが新しい布地体験かな。今流行りの木綿は帆布とかオーガニックコットンとか会津・松坂木綿あたりですかね。
ところで春さん、キルトの本出してます?同姓同名のキルト作家の人がいるんだ~と長年思っていたのですが、最近もしやと思いまして。。。

さんのコメント...

hiyocoさん
アイロンがけ、今日も続いています。といってもお天気がいいので、草刈りの合間ですが。
まだ洗っていないブロードの布もかなりあって、糸染なので発色はきれい、洗って取っておくか、アイロンかけが面倒なので(笑)捨ててしまうか、思案中です。
恥ずかしながらですが本、出してます。でも、思ったのとできあがりが違ってがっかりした本なので、忘れてください(笑)。

hiyoco さんのコメント...

そうそう、あとこのように洗濯ものを干されているのですね!物干し台とかなさそうだけど、どうしているのかな~といつも思っていました。わざわざ写すものではありませんが。
本のこと、忘れます!

さんのコメント...

hiyocoさん
お天気がいいときはこれ、あとはケヤキの枝にぶら下げるステンレスの物干し、でも寒いときや雨のときは二階の手すりに干します。一晩で必ず乾くのでありがたい、物干しを二階に置いて干すときもあります。
洗濯、わりと好きです(^^♪

karat さんのコメント...

今、ここらではマスク作りの布も品薄状態です。
孫用にハワイアンキルトの残り布で縫ったら具合がよいので、少し買っておこうかしらとネットで探したら、ほとんど売り切れでした。
布の種類がシーチングというのかどうか私はよくわからないのですが、木綿だけどブロードみたいに目がつんでいなくて、晒し木綿とか日本手拭みたいに目が粗くもなく、柔らかくて丁度良いのです。
布を二重にして口に当てて息が適当に通るかどうか試さないと分からないのですが(^^;)。
もしかしたらこの布はマスクを縫おうとする人たちの垂涎の的かもしれません(^^)。

さんのコメント...

karatさん
シーチングはインド綿などに近い手触りです。ハワイアンキルトの残り布というのがどんなものかわかりませんが、無地ですよね?シーチングかなぁ。
ハワイアンキルトがいつごろからできたのか知りませんが、もともとは手織り布だったのでしょうかね。1970年前後には、アメリカには無地のブロードは売っていましたが、シーチングの色布は見ませんでした。私はブロードは糸染で、シーチングの色布は布染めだと思いますが、どうでしょう?
シーチングはどこで織られているか知りませんが、もしかしたらインドあたり、でも今どきは中国かもしれませんね。シーチングはブロードより糸は太めですが、今回整理してみて、私が染めたと思われる布は細い糸のシーチング、したがって薄いものでした。
そう言えば、昔の男性のフォーマルな白いワイシャツの生地はエジプト綿と呼ばれてましたよね?木綿布としては最高級で、あれは絹のようにきれいでしたね。
私はどこにも行かないのでマスクはつくる必要がないのですが、手持ちのシーチングは日本手ぬぐいよりちょっと厚手です。ハンカチを折ってゴムを通しただけのが、洗濯も簡単と書いてありましたが、どうなんでしょうね?

のら さんのコメント...

グッドタイミングというか、先日シーチング生地を買ってきた。閉店する元業者向け生地屋さんの半額セール!
マスクを縫っているのですが、男性や高齢者が無地のが欲しいとのことで、探しに行ったのです。
この日は生成、灰色、藍色、モスグリーン、紫がかった灰青色(薄手で光沢がある)、水色(懐かしい色と思ったら、30年くらい前にエプロンを縫って愛用していたのと同じ色)など6色を買いました。
シーチング大好きな生地です。

のら さんのコメント...

追伸。わたしも洗ってアイロン掛けをしました。春さんの何十分の一でしょうけど。
同じことしていたんだ~と、ニンマリ(笑)

karat さんのコメント...

すみません。混乱させて。布のことはあまりよくわかりませんが、ハワイアンキルトの布は針通りが柔らかくて、ハンカチよりは厚地かな?キャシーマムというキャシー中島さんのブランドの布が良くて探しましたが、大体売り切れで、…以前にはいくらでも売っていたのですが。
大人はどうでもいいのですが、子供向けのマスクもなかなかないですね。
ワイシャツの綿もちょっと目がきついですね。今まであまり気にしたことはなかったですが。まあ家にある残り布やブラウスを顔に当ててに息を通してみて具合を見てから作っています(^^)。
 話は変わりますが、ハワイアンキルトをちょっと習ったことがあって、あれは同じ大きさの大きな布がまず3枚は必要で、結構贅沢な手芸だと思いました。1枚は中心から8つに折って切り絵細工のように模様を切り抜いて、それをもと同じ大きさの布にアップリケして、次にもう一枚の布とキルト芯をはさんでキルトステッチを施すという…。ベッドカバーとかタペストリーとか、かなり大きな布が必要です。
何で読んだか、もともとパッチワークのキルトは残り布の端切れで作って、中にはトウモロコシの皮とかをはさんだと書いてあったような…うろ覚えですが。
ハワイアンキルトはこのパッチワークの精神からはかなり離れたものだなと…。なんでもアメリカの宣教師(あるいはその婦人)がハワイで教えたとかなんとか。キャシーマムの布も高いですしね(^^;)。

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のらさん
もう、マスクつくりのプロですね(^^♪
シーチングは馴染みやすいのが嬉しいですね。でもマスクにしたら、アイロンしないとくしゃくしゃしませんか?
アイロン、嫌いじゃないけれど、ちまちましたものにまでかけたくないです。母の母は、手ぬぐいだけでなく、子どもたちのパンツや、祖父のふんどしにまでアイロンを当てていたらしいのですが、真似はできません(笑)。

さんのコメント...

karatさん
ハワイアンキルトは布を重ねてつくるのは知っていましたが、なんとなく、30㎝四方くらいのピースを想像していましたが、200×200mくらいの大きさで一気に作るんだったんですね。確かに布がもったいないです。
狭いところではできそうにない気もしますが、どうして昔からそんな大きな布が手に入ったのでしょうね。
話は違いますが、先日シーツを新しくしました。それまでも昔繊維の会社に勤める友だちにもらった幅150㎝の布を2枚つなぎ合わせて、長さを300㎝にして使っていたのですが、乱れやすい。長さを350㎝にしたいと思って探したら、150、200、300㎝幅などいろいろな幅の布があったので、200㎝幅の布を買ってシーツにしました。
幅広だと幅の広い織り機が必要、既製品のシーツはどうやって織るのだろうとは思っていたのですが、布で売っているなんて、考えてもいませんでした。ネット時代のおかげでした。足元にばっちり折り込んで、具合はとってもいいです。
シーチングも昔は90㎝幅でしたが、今は120㎝幅くらいが一般的ではないかと思います。

のら さんのコメント...

プリーツマスクならひだを取っているので皺がよりにくいですが、立体や平面マスクなら表布の裏に薄い接着芯を貼って皺がよらないようにします。

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のらさん
薄い接着芯は便利ですね。
着物地や幟の生地で服をつくるときは(昔はよくつくった、笑)、洗濯機で回して、確かめてからから裁つのですが、それでも布が弱っていることもあり、部分的に破れたら裏から接着芯を貼ったりしました。
私がマスクに着手する前にコロナ騒動には終息して欲しいです。