2012年7月1日日曜日

蝿叩き


古民家を移築した、建築家の友人の素敵な家の居間に座っていたら、蝿が一匹飛んできたことがありました。
友人が持ち出したのは、あの水色の安っぽい蝿叩きでした。素敵な空間や素敵な調度品(旦那さまは彫刻家)とのアンバランスに、心の中で笑ってしまったものでした。


かくゆう我が家にも、同じような蝿叩きが、しかも四本もあります(一本行方不明中)。
冬場はおとなしく、ゴミ箱のわきの目立たないところにぶら下がっていますが、夏場はあちこちに出張します。家は気密性高くつくってあるので、蝿がいないときはいないのですが、いる時には何故か数匹がぶんぶんしています。
「どこから入ってきたんだろう」

いざ、蝿叩きを使おうと思ったら、たいていあるべき場所に一本もありません。あちこちに出しっぱなしです。
「どうして、ちゃんと元通りに戻しておかないの!」
と焦る私。
「なんで、いちいち片づけちゃうんだ!」
と焦る夫。
それを知り目に蝿が飛びます。

ここで暮らしはじめるまで、家には蝿叩きがなかったような気がします。
新聞の折り込み広告の紙を丸めて叩いていました。ところが、ここの蝿はやたら速い!

安っぽい蝿叩きが嫌で、骨董市で見つけた、プラスティックが使われていないころの、デッドストックの金網の蝿叩きを使ってみたこともあります。
ところが、叩くたびに、金網が丸まって、手で直すのは汚いし、反対側を使っても、丸まったのがなおらないばかりか、どんどん複雑に曲がっていってしまいます。
いつも丸まっている蝿叩きを見るのも、嫌なものです


この、フランス製の蝿叩きが、日本の古い蝿叩きと同じつくりです。金網が太い分ましですが、一度叩くとくるんと曲がります。
ネットショップの商品説明に、
「まさか、実際に使う人はいないでしょうね」
と書かれて、観賞用(?)に売られていたものです。


実際に使うために買いましたが、結局ショップの思惑通り、観賞用に転落してしまいました。
柄のつくりはきれいで、確かに観賞に耐えます。


革でできた、ドイツ製の蝿叩きもあります。
「絶対に、革の表で叩いてよ。それから、使ったあとはちゃんとティッシュで拭いておいて」
裏は、裏革そのまま、けばだっています。
「いちいちそんなことができるか」
と、こちらもほどなく観賞用に転落。


というわけで、外国製蝿叩きの二本は掃除道具置き場の飾りとなりました。

そして、相変わらず活躍しているのが、全部プラスティックでできた蝿叩きと、プラスティックの一部に金網を張った、あの安っぽい蝿叩きです。


追伸:

タイの蝿叩きがあったのをすっかり忘れていました。タイに住んでいたときは、同じような蝿叩きを使っていましたが、これは使ったことがありません。


素敵な、蝿叩きです。


4 件のコメント:

昭ちゃん さんのコメント...

蝿叩き一つでも国柄があるのですね、
我が家では家内の親が作ったシュロ製を長いこと愛用しました。
3段ぐらいタコ糸で編んでありました。
今のはピンセットが柄に収納されていますね、これも便利です。

さんのコメント...

昭ちゃん
シュロ製の蝿叩きで思い出しました。ラタン製のタイの蝿叩きがあったので、加えておきました。思い出させてくださってありがとう。ラタンの蝿叩き葉もったいなくて使えなくて、昔からただの飾りで(笑)、すっかり忘れていました。
棕櫚の蝿叩き、素敵ですね。つくってみようかな。棕櫚を干してからつくらないと、すいちゃいますよね。

昭ちゃん さんのコメント...

よかったですね、
これは布団叩きに丈夫ですね。

さんのコメント...

昭ちゃん
そんなに大きくて頑丈なものではないのですよ。布団叩きには無理です(笑)。幅が8センチくらいでしょうか。
棕櫚の葉って、いろいろ使われていたのでしょうね。