夫は、2010年にタイに行ったとき、植木鉢を吊り下げるラタンのホルダーを買ってきました。
それ以来、居間の片隅にホルダーをぶら下げて、安くて花がいっぱいついたポット植えの花を買ってきては吊るしています。受け皿は以前猫の食器として使っていたものです。ところが夫は、水やりを忘れるのでいつも枯らしてしまう、そこで、じょうろに水を入れたまま傍らに置いておくようになりました。
私のじょうろはブリキ製と鉄製の2つ、どちらも水を入れたまま置いておくと内側が錆びだらけになり、茶色い水が出るようになるので、厳重注意するのですが、ほとぼりが冷めたころ、また水を入れたままにしてしまいます。
「やめてね」
今朝はびっくり、目につくところに花を置けば水やりを忘れないと思ったのか、ガラス戸の前にポットを堂々とぶら下げているのを見つけました。いつのまにか、ジュートのホルダーも買ったようです。
わぁ、やめてほしいと見ると、そこいらで買ったありふれた花は、プラスティックのポットのままで、カンボジアの骨董屋で見つけた清時代のお皿に乗せています。サイズがちょうどよくて深さもある手ごろなお皿を探し出して、ポットを置いたのです。道理で、水屋の引き戸が開きっぱなしになっていました。いつも、地震が来てもお皿が割れないよう、必ず戸を閉めてねと言っているのに...。花を飾りたいというほかには何も考えてないのです。
福建省、海南省、広東省などで食い詰めた人たちが、不安な思いでタイにわたるとき大切に持ってきたかもしれない100年も前のお皿。ヴェトナム戦争中にも、ポルポト時代にも失われないで生き残ったお皿に、プラスティックのポットはないでしょう!
ちなみに、気づけば夫の花にも水をやりますが、私はたまにしか水やりしなくてもいい植物しか室内に置いていないので、いつもというわけにはいかないのです。