『わたしのスカート』で、アジアの麻、大麻(たいま=ヘンプ)の糸のつくり方を見たので、チェコスロバキアの絵本、『もぐらとずぼん』(エドアルド・ペチシカ文、ズデネック・ミレル絵、うちだりさこ訳、福音館書店、1967年)で、西洋の麻、亜麻の糸のつくり方も見てみたいと思います。
もっとも、『もぐらとずぼん』の絵は単純化されているし、もぐらがずぼんを手に入れるのですから、実際とは違っていますが、基本は同じだと思います。
ある日、もぐらは素敵な青いずぼんを見て、欲しくなります。
どうすれば青いずぼんが手に入るか、誰に聞いても知りません。
そんななか、えびがにが、
「布を持ってきたら、ずぼんの形に切ってあげるよ」
と言ってくれました。
また、よしきりは、
「ずぼんの形に切った布を持ってきたら、縫ってあげるよ」
と言ってくれました。
でも、肝心の布をどこで手に入れたらいいかわかりません。
もぐらが泣いていると、青い花が、
「わたしの雑草をとったり、虫を追い払ってくれたら、ずぼんが手に入るわ」
と、もぐらに声をかけました。
青い花は、亜麻(あま=リネン)でした。
もぐらは、亜麻をかじっていた虫を追い払い、亜麻の成長を妨げていたタンポポやアザミを抜き、
せっせと水遣りもしたので、亜麻はすくすくと育ちました。
十分育った亜麻は、もぐらに糸のつくり方を教えて、自分を抜くように言いました。
もぐらは亜麻を抜き、亜麻に教えてもらったとおりに束ねて、水辺に運びました。
川で、茎が全部が水に浸かるように重石をして、しばらく置きました。
表皮を腐らせるため、実際は、2~4週間水に浸します。
表皮が腐って繊維がむき出しになった亜麻の茎を干します。
それをコウノトリの噛んでもらって、堅い茎を砕きます。
ハリネズミの針を利用して、梳かせてもらいます。
ふわふわと柔らかい、麻の繊維が採れました。
その繊維を、蜘蛛に撚りをかけてもらって糸にします。
ここで、繊維と繊維をどうやってつなげているのか知りたいところです。綿を紡ぐときのように、ただ引っ張ればそのままのびて、引っ張るのをやめてスピン(撚り)をかけたら次の麻とからまって、つながっていくのでしょうか?
ネットで探したら、亜麻を紡ぎ車で紡いでいる
動画がありました。やはり綿と同じように紡いでいました。
亜麻の紡ぎ方は、大麻や
苧麻(ちょま=からむし)の紡ぎ方よりずっと簡単だったのですね。
コケモモでで糸を青く染めます。
そして、蟻に頼んで、布を織ってもらいます。
糸の染め方と布の織り方は、あまり参考にはなりません。
織り機の綜絖(そうこう)はきちんとしていますが、筬(おさ)がありません。
できた布を持って行くと、えびがにがずぼんの形に裁ってくれました。
絵を見る限り、とうていずぼんができそうにない裁ち方ですが。
そして、よしきりが縫ってくれました。
もぐらくんは、とうとう青いずぼんを手に入れました。
ポケットに入れているのは、もぐらが土の中で見つけた宝物たちです。
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ウィキペディアより |
亜麻は寒いところで育ち、日本では北海道のみが適地です。