きっかけがないと再開できない機織り、もう一度習うべきかどうか、2年もいじいじしていましたが、思い切って習いに行くことにしました。先生は近藤さん、すぐ近くに住んでいらっしゃいます。
というわけでこの数日、糸車を高いところから降ろして埃を払ったり、カーダーの錆を取ったりして準備していました。
近藤さんは、羊1頭分の毛を丸ごと買い、それを洗って整え、染めて、紡いで糸にしてショールなどを織っていらっしゃいます。私はその昔に買った糸をたくさん持っているのですが、近藤さんのところでは糸紡ぎから始めるのが基本、分けていただいた原毛を洗うところからはじめました。
原毛を洗うには、まず米ぬかで下洗いします。精米スタンドからいただいてきた米ぬかを布袋に入れて口をきつく縛り、保温性の高い発泡スチロールの箱に入れた約60度のお湯の中で揉んで、ぬか成分をお湯に溶かします。それにそうっと原毛を浸して蓋をして、かき混ぜたりしないようにして、40度くらいになるまで冷やします。
この日洗った原毛は、サイドと呼ばれる脇腹の毛250グラムと、バックと呼ばれる背筋の毛200グラムです。
ぬか湯に浸して1時間以上そのままにして、40度くらいに冷めたら、お湯を捨てて水を切ります。毛の脂分や汚れがこれでずいぶんとれました。次にモノゲン(洗剤)を原毛の重さの5%溶かした約60度のお湯にそうっと浸して、また冷めるのを待ちました。モノゲンと言う名前を久しぶりに聞きました。子どものころ、毛糸洗いなどに祖母や母はモノゲンを使っていましたが、私自身は洗濯に使った記憶はありません。
モノゲン湯が冷めたら水を切って新しいお湯で洗い、軽く脱水して、3回ほどお湯を替えながら洗ったら、原毛洗いの完成です。
それを少量ずつ毛先の方から引き抜いて、
置いたカーダーで梳いて、
まっすぐにそろえています。
気の遠くなるような作業?
いえいえ、これまで気分転換にコンピュータでソリティアやジグソーパズルをして遊んでいたのをやめて、しこしこと原毛に向かっていればいいので、何とかなりそうです。