2014年9月30日火曜日
縄
農産物直売所の「どきどきファーム」には、何故かあちこちにわらの宝船が飾ってあります。
聞いてみたことはないけれど、お正月に、注連飾りと一緒に売ったりしているのかもしれません。
扇、海老、恵比寿大黒、鯛、松竹梅などを飾った、華やかな宝船です。
かたや、大場ぶどう園の宝船です。
稲わらだけでできていますが素敵です。かわいい俵が活きています。
舳先に近い方には、松竹梅も見えます。
とくに梅がいい。
つくってみたいけれど、縄が綯えないとできません。
『バスケタリーの定式』を読むと、縄の綯い方も民族によって違うそうです。
日本のように両掌だけで綯う文化、掌だけでなく腕まで使う文化、そして手だけでなく太腿を使って縄を綯う文化もあるそうです。
縄を綯うことにはあまり注目したことはありませんでしたが、手仕事の基本です。繊維を糸にするのもそうですが、たいていの文化では縄を綯って来ました。
エジプトのピラミッドさえ、切りだした石を運ぶためには縄を使ったし、壁画に縄を綯っている絵が残っているそうです。
遅まきながら、八豊祭の縄つくり教室に参加してみようかなぁと思っています。
2014年9月29日月曜日
リフト
ただいま、太いコンクリートの柱の型枠を設置する作業の、最終追い込み中です。
あと一段でコンクリート打ちというところまで漕ぎつけました。
高いところへものを上げるのは、いちいち持って上がるとなると、急な梯子を登ったり降りたりが大変だし、ものは重いし、両手が使えないと梯子を登るのが危険なので、リフトを使っています。
右手に見えるスイッチは、雨に濡れないように、ビニールでぐるぐる巻きにしていますが、このスイッチの「上」ボタンを押せばワイヤーを巻き取って張るので、上にものがあげられ、「下」を押すと緩んで降りてきます。
小さいもの、工具や金具などはコンテナに入れて上げ下げします。
そして、パネルはマルセパを通すために開けた穴に紐を通して上げます。
ちょっとした工夫ですが、これがなかったら、労力も危険度も一気に増したことでしょう。
2014年9月28日日曜日
ハイイロチョッキリの缶バッジ
ピクニックバザールに行ったおり、kuskusさんから、ハイイロチョッキリの缶バッジをいただきました。
いやぁ、渋いというか、マニアックと言うか。しかもkuskusさんが自分用に買ったのは、ゾウムシの缶バッジだそうでした。
ハイイロチョッキリって、こんなやつなんですね。
ハイイロチョッキリは、クヌギやコナラのどんぐりに卵を産みつけると、枝を切り落とします。
一時、毎日たくさんの枝が切り落とされていました。でも、もう産卵の時期が終わったのか、最近は新鮮な枝は落ちていません。
枝の雨の名残です。
残念ながら舗装した道の上に落ちたのは、踏みつぶされてしまいましたが、来年もたくさんのハイイロチョッキリが育ち、活発に枝を切り落として、掃除仕事を増やしてくれることでしょう。
以前、いいじまさんにいただいた「がんばっぺ!北条」と、「ハイイロチョッキリ」を並べてつけると、自然+茨城の応援歌になります。
北条は二年前に大きな竜巻に襲われた街です。
缶バッジ入れにしまっておこうと、缶バッジ入れを出してみたら、サダム・フセイン氏が笑っていました。
これは確か、湾岸戦争の頃のイラクのバッジではなかったかと思います。だから、ここの書かれているブッシュは父のジョージ・ブッシュです。
あれからもう15年も経ちました。
2014年9月27日土曜日
特等席
行きつけの歯医者さんで、
「一番奥の席にどうぞ」
と言われると、心の中で、
「やったぁ」
と思います。
治療椅子が四つあるうち、特等席は一番奥の椅子です。
目の前の大きな窓に、八郷盆地の懐の深いひだのずっと奥への広がりが見渡せます。
さすがに、治療されながら写真は撮れなかったので、終わって外に出てから撮りました。椅子から見える風景と同じ風景です。
「あれっ、あの小さい雲は動いているように見える」
ぼんやりで見ていたら、雲ではなくてパラグライダーでした。
お昼が近い時間だったので、上昇気流が発生していたのでしょう。
パラグライダーをやっている人の話だと、大小の上昇気流をうまくつかまえると、それに乗って何度でも高く上がれる、八郷は日本でも有数の、「風」のいいところだそうです。
治療してもらっていたときは山より高く飛んでいたパラグライダーたちは、治療が終わった頃にやっと降りてきました。
右上の、山の木のないところから飛び発ちます。
八郷には、ハングライダーやパラグライダーを楽しむために通っているうちにここが気に入って、住みついた人たちが大勢住んでいます。
その人たちはたいてい、飛ぶことはやめてしまっています。
小さいころから、歯医者さんとは縁が切れません。今も半年ごとに歯石を取ってもらいに行きますが、そのたびにどこかしら不具合が見つかったりします。
でも、いい歯医者さんでよかった。今まで看ていただいた歯医者さんの中で、一番気に入っています。
2014年9月26日金曜日
お茶の時間
ロシアのセルギエフ・パサードは、昔も今もマトリョーシカの一大産地です。
昔は職人さんたちが、おもには分業で、決められた絵つけをしていました。
ところが今は、セルギエフ・パサードのマトリョーシカの特徴を踏襲しながらも、色塗りをする職人さんは色塗りだけ、顔を描く職人さんは顔を描くだけといった分業ではなく、絵つけの工程をすべてを一人で受け持つ一貫作業が、大勢を占めているようです。
中には作家さんとして活躍されている方もいらっしゃいます。
そんな作家さんの一人、ナジェジダ・イワンツォヴァさんのマトリョーシカ、「お茶の時間」です。
一番大きい娘は20センチ、華やかで明るい絵つけです。
湯沸かし器のサモワールは、生地の色を上手に生かしています。
ぼかしはナジェジダさんが得意とするところで、随所にみられます。いやはや見事な筆さばき、手描きではなくて、まるでプリントしたようです。
というのは、全然褒め言葉にはなっていませんが。
顔や手なども、生地の色をそのまま生かしているようです。
セルギエフ・パサードのマトリョーシカには、よく男の子が混じっているものがありますが、私はプラトークを巻いた娘だけのものが好きです。
大きい娘たちは、それぞれ両手で、サモワール、果物、ロシアの乾パンのブーブリキを紐に通したもの、ティーポットなどを持っていますが、一番下の娘(右)だけは、セルギエフ・パサードの特徴である、右腕を曲げ、左手を下げている伝統的な姿です。
右手には、ブーブリキを一つ持っています。
カラフルで国営工場でつくられたものとは隔世の感がありますが、これから100年後には、いったいどんなマトリョーシカがつくられるのでしょうか。
2014年9月25日木曜日
モルドヴァの娘たち
ソヴィエト時代のマトリョーシカです。
モルドヴァでつくられたもののようです。
『ロシアのマトリョーシカ』(スヴェトラーナ・ゴロジャーニナ著、スペースシャワーブックス、2013年)には、類似のマトリョーシカがマリ・エル共和国のヨシュカル・オラ市でつくられたと書いてあります(44p)。
ところが、『マトリョーシカノート3』(道上克著、2013年)には、類似のマトリョーシカが、モルドヴァでつくられたもの、モルドヴァとは、ウクライナの南にある現在の「モルダヴィア共和国(原文のママ)」と書かれています。
ところで、紛らわしいのですが、ウクライナとルーマニアにはさまれたモルドヴァ共和国(Republica Moldova)だけでなく、ロシアの中には、モルドヴィア共和国(Respublika Mordoviya)というのがありました。
どちらも、モルドバとか、モルドヴァと呼ばれています。RとLの違いですから、日本人には到底区別がつきません。
本当はどこでつくられたのか?
スヴェトラーナ・ゴロジャーニナさんはロシアの人ですが、私はどちらかと言えば、たくさんのマトリョーシカを収集し、ラベルを見比べるなどして、同定していらっしゃる道上さんの方を信じます。
このマトリョーシカには、製造記録の紙が入っていたのですが、残念ながら書かれているキリル文字が読めません。
1989が製作された「年」だとするとソ連崩壊が間近に迫ったころですが、『マトリョーシカノート3』には、類似のマトリョーシカは1960年代につくられたものと書かれています。
これは、セミョーノフのマトリョーシカと表情が似ていて、渦巻き紋も使われているものです。
頭にかぶっているのは、キリスト教(モルドヴァ正教)のベールではないかと思われます。
モルドヴァでは、1991年のソヴィエト崩壊と同時に失われたのか、今ではマトリョーシカはつくられていないようです。
2014年9月24日水曜日
麦わら細工の木箱
麦わら細工の小箱です。
昔はいろいろなところでつくられていましたが、兵庫県の城崎以外の地方では、廃絶して久しくなります。
これは、城崎温泉のものでしょうか?
お土産用につくられるものですが、手が込んでいます。
六角形の中の麦わらは、編んであるかのように見えます。
でも実際は、いろいろな色の麦わらを並べて貼り合わせた板状のものを細い線に切り、それをずらしながら貼り合わせてあります。
箱根細工と同じ原理です。線に対して斜めに切れば、斜めの縞模様も簡単にできると言うわけです。
下絵があるのだと思いますが、それにしてもきれいな収まりです。
中には、セルロイドの待ち針や古い糸巻きを入れています。
2014年9月23日火曜日
わらの籠
骨董市で見つけた、稲わらの籠です。
わらの籠は繊維が崩れやすいのですが、まだしっかりしています。
大きさもいいし、縁の編み方がとってもきれいです。
ただ、ぺちゃんこに型崩れしていました。
でも、湿らすと何とかなるはずです。
バケツに張った水にどっぷり沈めて濡らしてみると、わらが柔らかくなり、型崩れは何とかなりました。
干すのに型がいるかと思っていたのですが、なくてもしっかり形を保っています。
しばらく立てて乾かした後は、底まで乾くようにぶら下げておきました。
わらの籠もなかなか味があるものです。
スゲ、ガマ、稲わらと三種類の素材でつくった、同じ編み方の籠が揃いました。
ガマの籠は岡山県蒜山、スゲはおそらく(骨董屋のまことさんによれば)埼玉県秩父、稲わらの籠は、東北地方のどこかのものだと思います。
三種類の素材は、それぞれ別の趣を持っています。
ガマとスゲは水をはじきますが、わらはたっぷり吸い込みます。
これと同じ編み方でつくる籠の、素材としてはこの三種類だけだと思いますが、もしかしたら他にもあるかもしれません。
2014年9月22日月曜日
ピクニックバザール
恒例のピクニックバザールが、みやもとかずみさんのガラジで、この土曜、日曜の二日間開催されました。
もとは豚小屋だったガラジは、手を入れて年々きれいになり、ピクニックバザールも年々盛況になっているようです。
まずは、ほっと一息。
kuskusさんのお店のミニバーで、自家製の酵素ジュースにラム酒と炭酸を混ぜたお酒をいただくのを、夫は毎年楽しみにしています。
「うまい!濃い!」
おつまみは、焼きたての南部せんべい。
ピーナツ入りのものとゴマ入りのものがありますが、熱々なので、ぱりぱりしないで、しにゃしにゃしています。
お昼時をめがけて行っているので、みやもとさんのキーマカレーもいただきました。
にんじんサラダ(ピクルス?)がよく合います。
みやもとさんたちのお仲間には、左官のむらおかずこさんがいらっしゃることもあってか、ガラジのところどころが個性的な塗り壁になっています。
この壁も、わらのスサが見えていて、素敵です。
手前はkuskusさんのうつわたち。
日曜日はよく晴れていて、超快適でした。
ピクニックバザールでは、飲むだけ食べるだけで、何も買わない年が続いていたような気がしますが、今年はこのkuskusブルーのお皿を連れて帰りました。
以前は夫婦で、
「おれはこれがいい」
「ええぇ、そぉぉ。私はこれかな?」
「おれはそれ、好きじゃない」
などと、好みがずれることもありました。最近は何故だかぴったり合っています。
このお皿もいいなと思っていたら、夫が、
「これどう?」
だって。
2014年9月21日日曜日
自然はすごいよ
八郷というか、このあたり一帯で、昨日の夕焼けはとってもきれいだったようで、たくさんの方々がfacebookに掲載していました。
それから約30分後、夕焼けは私も見ました。
私は夕焼け雲だけ見ましたが、夫はその前の鰯雲を見ていました。
「きれいだよ」
と声を掛けられたのに、私はお相撲を観ていました。
ゲルで産まれて草原で育った野生児逸ノ城、面白いですね。
17時10分過ぎでしたが、この鰯雲はあっというまに大きな雲に隠されてしまったそうです。
それから約30分後、夕焼けは私も見ました。
さらに30分後、陽が沈んでも山の稜線は輝いていました。
この間、わずか一時間のドラマでした。
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