2024年5月18日土曜日

アイヌの男性たち


アイヌの男性たちの人形です。
あんなによく知られたアットゥアミ(半纏のようなアツシの着物)をまとわず、日本の着物に袖なし羽織のようなものをまとっているのには、何か理由があったのか、なかったのか、着物はシナかオヒョウの繊維で織られたもの、袖なし羽織はからむしなど草の繊維で織られたものと思われます。


美しく織られた布たち。着物にはアイヌの唐草模様が木版で押され(あるいは手描きされ)、袖なし羽織は草木で染められています。
張りのある生地なので、小さな端布を折ったり曲げたりするのは難しいと思われますが、とてもきれいに仕上げてあります。


男性たちは二人とも、堂々とした立派なお顔をされています。髪や髭が黒々としているので、壮年の男性でしょうか。


お土産ものとしてつくられたものかどうか、手は片方を動かすと、連動していてもう一方の手も動きます。

アイヌの服装は、西から保温性の高い、しかし布としては薄手の木綿が手に入るようになって変貌します。木綿の普及で、織りあげるまでに数カ月かかる、木の皮を剥いで繊維を採って糸にするアットゥはやがて織られなくなり、薄手の木綿布を重ねて綴ったりすることによって、上着にはより手の込んだ模様が施されるようになります。


実際に、こんな服装をしていたアイヌがいたのかどうか、いぶかしく思いながらも木綿以前の着物をまとった男性たちの佇まいを楽しんでいます。


我が家のアイヌコーナーはむき出しのところ、ここに置いては布が埃で傷むので、この場所にいていただくわけにいきません。


というわけで、アイヌの男性たちは、ガラスケースに収まっています。フランスの若くはない女性、メキシコの女性、ノルウェーの女性たちに囲まれて、ちょっと居心地は悪いでしょうか。


アイヌの衣装を知るには、『アイヌの衣文化の研究』(津田命子著、2014年)をダウンロードすることができます。






2024年5月17日金曜日

村の農繁期


我が家の近くの田んぼは沢の水を使っているので、毎年水利が整備されている(水道水を使う)田より、田植えがちょっと遅めです。というのは、谷川の水の温度が上がるのを待つからです。
まわりはとても低い山々ですが、1年を通じて水が枯れるということはありません。


というわけで、今が田植えの真っ最中、このところ、各農家で個別に田植えをする姿はめっきり減って、ほとんどを水稲組合が引き受けています。苗づくり、代掻き畔塗り、田植え、夏の終わりには稲刈り、籾摺りと、すべて水稲組合が代行します。
といっても水稲組合のメンバーたちはこの集落の人たち、中でも大きいトラクターや田植え機を操れるのは数人だけ、それでも苗を田まで運ぶ仕事、植え残したところに捕植する仕事などなどいろいろあるので、みな1年で最も忙しい季節をすごしています。








 

2024年5月16日木曜日

最近腑に落ちないこと

著名人の名をかたって、投資を勧めてお金をだまし取る詐欺が横行しているようです。
被害にあった方は6億円だまし取られたとか、7億円だまし取られたとか、お気の毒と言えばお気の毒ですが、私に解せないのは、被害者が億以上という使いきれないほどのお金を持ちながらどうしてもっと増やそうとするのかというところです。


「そんだけあれば、欲を出さなくても、もういいじゃん」
と、投資に縁のない私は思ってしまいます。

大相撲の宮城野親方、元横綱白鵬は、部屋の力士が弟弟子に暴力をふるっていたという理由で、力士が処分されただけでなく、宮城野部屋をつぶされました。
白鵬が台頭してきたころ、日本相撲協会はモンゴル勢の活躍に脅威を感じていました。そのため、白鵬が大関に上がるに十分な成績を残したときも、大関として承認することをせず、白鵬は悔しい思いをしました。それでも強かった白鵬は大関、横綱と上がり、これまでの記録をつぎつぎと塗り替えながら、賭博問題に揺れて人気もどん底、存続さえ危ぶまれた大相撲を次世代につなぎました。
日本人横綱待望論が大っぴらに口にされ(相撲解説者の一人もその先兵)、外国人排斥のムードが高められ、何年も続いた中、フィリピン人を母親に持つ高安や御嶽海の活躍・大関昇進から、やがて外国人排斥問題はうやむやに収束していきました。
それが今度の宮城野部屋の力士の暴力問題を、待ってましたとばかりにとらえて、相撲協会は力士を処分するだけでなく、宮城野部屋をつぶしてしまうという暴挙に出ました。


大関琴光喜が賭博で追放されたときも佐渡ケ武部屋がつぶされることはありませんでした。また、朝之山や阿炎の不祥事にも、(日本人が親方である)高砂部屋や錣山部屋がつぶされることはなかったし、宮城野部屋の暴力事件以後に発覚した、未成年と酒を飲んだという大の里は、所属する二所ノ関部屋はつぶされるどころか、謹慎処分も受けていません。
横綱在住が短命に終わった二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は、やっと出現した久しぶりの日本人横綱として、今でも相撲界の宝扱いされています。
その不公平を不服として、八角理事長の率いる相撲協会のやり方異を唱えた芝田山親方元横綱大乃国)は、あっさり左遷されてしまいました。
子どもたちが相撲に親しむ場を白鵬はたくさんつくっていたし、白鵬がいなければ今の大相撲はなかったのにこの仕打ち。その理不尽さに、もやもや感は収まりません。

えっ、腑に落ちないことに、アメリカのイスラエル支援や自民党問題を含まないでいいんですか?






2024年5月15日水曜日

お菓子の型


中国のお菓子の型です。


ほとんど花模様ですが、鶏、


魚、


そして人(仏さま?)らしき姿も混じります。
中国の型を使ってつくるお菓子としては月餅がありますが、この型を使ってどんなお菓子をつくったのでしょう?
一度に22個ものお菓子をつくることができる型、見事です。


裏には「順興陳記」と書かれています。お店の名前だったのでしょうか?


両脇には、持ち手も彫られています。

お菓子の木型は、どこの国のものも素晴らしいものですが、木ではないお菓子の型も味があります。


日本のガラスのゼリー型。
金魚、梅、菊、プレーンなもの、いろいろです。昭和の初めまで使われていたらしいけれど、子どもたちは型から抜いたゼリーを買ったのかしら? 
それともガラスごと買ったのかしら?
と、ここまで書いて『びんだま飛ばそ』(庄司太一著、PARCO出版、1997年)を開いてみたら、ガラスのゼリー型は戦前戦後のころ家庭でよく使われた、と書いてありました。


インドのお菓子の型は土でできています。
ペーズリー、花や葉に交じって、魚や貝もあります。下段中央は何でしょうか? 海老にも見えますが。
インドに住む友人からお土産にもらったもの、20年前には普通に売られていたけれど、今でも売られているのかどうか、インドはこの20年で大きく様変わりしてしまったようです。





 

2024年5月14日火曜日

猫まみれ


白い木彫りの招き猫、はっきり言ってへたくそです。
ではつくってみろと言われたら、返す言葉はありませんが。


たぬきではあるまいし、この背中に背負った立派なしっぽは、何?


我が家に棲息する、日本製(タイ製やインドネシア製ではないという意味)の招き猫たちです。もっとも白い2匹は中国製の可能性もあります。


猫たちの尻尾はと見ると、あらっ、左端のアバンギャルドな黒猫ちゃんは、尻尾もユニークでした。しっぽのない猫もいるし。


木彫りと言えば、やっぱり松田一戯さんの猫が最高です!


と、ここまで書いて古いブログを見たら、クスノキの猫がもう1匹いたはず、どこに隠れているのでしょう?


と、探してみたら、小さいのは1匹ではなく3匹もいました。
なんだか得した気分、忘れていただけですが。





 

2024年5月13日月曜日

お肌の手入れ


隣に越してきたM+MのMちゃんが、数年前に肌の手入れ一式を貸してくれました。
小豆島のオリーブでできた化粧水、乳液、オイル、それに日焼け止めです。
「朝と寝る前にオリーブ果汁水から順番につけて。最低このくらいやった方がいいから。日焼け止めは高すぎるからオリーブのじゃなくてニベアだけどね。1週間貸すから使ってみて」
「日焼け止めって、毎日塗るの?」
「そうよ。雨でもよ」
親切に言ってくれるから仕方ないかと、化粧水さえ使ってこなかった私ですが、1週間わりと真面目に使って、ネットで同じものを買って、借りたのを返しました。オイルはとても高額でした。
ところが、お試し期間が終わったら、やっぱり長続きしません。思い出したときだけ、1週間に1度くらい使っていたものが、すぐに完全ご無沙汰になってしまいました。

1昨年の秋、近くに新米を買いに来た初対面の女性が訪ねてきて、何故か化粧水の話になりました。面倒だから使っていないというと、化粧水だけでも使った方がいいと言います。


「私、化粧水は持ってはいるんだけれど」
とオリーブ果汁水を見せると、
「これこれ、これでいいんですよ。ほかは一切忘れて、これだけつければいいんです」
と言うので、つけてみましたが、それも3日ほどで終わって、ビンはそのまま埃をかぶっていました。


先日、実家のある伊丹から帰ってきたMちゃんが、
「お土産」
と、四角い箱をくれました。
「何?」
「ジェル。これだけつければいいの」
「知っているでしょう! 私が化粧水も何も全然使わないのを」
「これ、オールインワンだから、面倒じゃないから。私が疲れた顔していたら友だちが教えてくれたの。お肌が艶々になるから」
「要らないよ。無駄よ」
「簡単だから使ってみて」
と置いて行ってしまいました。


写真をとるために箱から出してみましたが、まだ手つかずです。
私はそんなに顔色が悪いかなぁ。
すっぴんってそんなに変かなぁ。
お陽さまの下で刈り払い機など使うとき、思い出したら日焼け止めを塗るくらい、それも忘れたり、塗ったら塗ったで丁寧に落とすのを忘れたりします。
やはりMちゃんに返そうと思っています。





 

2024年5月12日日曜日

陽だまり


先代のトラは日向ぼっこ好き、よく日向ぼっこしていましたが、 タマ・マルの日向ぼっこ姿は、そう見かけません。
珍しくタマが陽だまりでまったりしていたら、マッサージチェアの上で目を覚ましたマルも寄ってきました。


ところが、すぐ外に関心を向けるマル。


外はお陽さまいっぱいじゃないかと言わんばかりに出かけていきます。


残ったタマは、トラのように陽だまりを求めて少しずつ移動していました。







2024年5月11日土曜日

電池式の道具

大工仕事、庭仕事の道具の進歩は目覚ましいものがあります。
2002年、家の建設を始めて一番嬉しかったのは、以前はなかったインパクトドライバーの存在でした。釘を金槌で打つと、やり直さなくてはならないとき、大いに苦労するのに、インパクトドライバーでネジ釘を打つと、抜くのも超簡単です。
私たちがインパクトドライバーを使い始めた2000年代の初頭には、ナショナルが最高とされていました。ナショナルが握りやすく軽量化したインパクトドライバーを売り始めたのは1993年のようです。


充電式の工具は電池の良さが命です。やがてナショナルに替わって日立が台頭し、マキタが続き、今では我が家のインパクトドライバーは3台ありますがマキタだけになりました。
また、エンジン式や電動式のものしかなかった道具も、続々と充電可能な電池式に置き換わりつつあります。


我が家でもしばらく前に、初めて電池式のグラインダーを購入しました。


電池は、インパクトドライバー、チェーンソー、刈り払い機、ライトなどと同じもので使いまわしができます。


ただ、使った夫によると、使い勝手はまあまあだそうです。


というか、電動のグラインダーの方が慣れているから、やっぱり使いやすいそうです。

息子が買ってくれた刈り払い機。電池が一つだけで、30分しか持たない

私も刈り払い機は電池式よりエンジン式の方がパワフルなので好きですが、チェーンソーはエンジン式より電動より、使い勝手の良い電池式に軍配を上げます。
ところで、電池式のチェーンソーは、道具をいい加減に取り扱ったりあと片づけを怠ったりする夫には使われたくないと、半分秘密にしていたのですが、先日、裏の木を伐るのに探し出されて、使われてしまいました。


「勝手に使わないで欲しいんだけど」
「エンジン式は重くて面倒だし、コードがついているのも面倒だし」


ところが使った後、元の置き場所においてないうえ、カバーもかけていません。
「ちゃんとカバーしてよ」 
カバーを探してもらっていますが、どこに置いたかすっかり忘れて、なかなか出てきませんでした。
やれやれ。





 

2024年5月10日金曜日

紙のおもちゃ


フォトアルバムから昔の写真をさがしていたとき、プノンペンでのボートレースの日に、川岸で子どもたちがおもちゃを売っていた写真が出てきました。鳥や魚、バッタもいて、竹串の先に吊るしてあります。
素材は紙だったのでしょうか?
素材がヤシの葉だったら一も二もなく買ったと思うのですが、1羽も1匹も買わなかった! 1匹くらい買えばよかったと、今更ながら後悔が走ります。


風船細工はしぼんでしまいますが、紙だったら長持ちしたかもしれません。
いやいや。思い出しましたが、荒い竹ひごでつくって紙を貼った提灯というか燈篭、大切にしていたけれど壊れてしまって、持って帰れませんでした。紙の鳥や魚、バッタたちもきっと長持ちしなかったことでしょう。


ボートレースは、大盛況でした。
ところで、この写真の左の空に缶が浮かんでいるのはなぜ?
ちょっと気になります。


この日のために、みんな大切にボートを岸に保管していて、川を船で行くと、ところどころでボートの倉庫を眺めることができます。1年じゅう保管しているので、あまり練習するチャンスはなくて、ぶっつけ本番です。
タイ人はほとんど帽子をかぶりませんが、クメール人は帽子が大好きです。


私が働いていた事務所からも1隻ボートを出したのですが、びりから数えた方が早い結果に終わってしまいました。
このときではありませんが、転覆してしまった年もありました。