骨董市ではいろいろな店で、ぽつんぽつんと招き猫を見かけます。
売られているのは、ほとんどが千万両の小判を持った常滑系の猫たちで、ほかには瀬戸のお土産品の磁器の猫や、中国製の猫なども混じっています。
玩古さんの親父さんの店に、合格祈願の猫がいました。
目が寄りすぎていない、目が尖っていない、目が大きすぎない、目が怖くない。かわいいけれど、常滑系の猫はもういらないかな? 自問自答しながら店を離れたものの、ワンコイン以下ならやっぱり買おうと店に戻り、値段を尋ねてみました。
その日は何故か饒舌だった親父さん、
「両手をあげて、人もお金も招いているよ」
とうんちくを垂れます。
「えっ、この猫は合格祈願みたいですよ」
と言うと、小判を見て、
「なんだ、そうか」
値段も思った通りだったので、合格祈願猫が我が家にやってきました。やって来てから、鈴ではなく星を首につけているのに気づきました。
我が家に先住している合格祈願招き猫を探したら、2匹いました。
双子のように見えて、2匹は目、挙げた手の高さ、首輪、模様、爪の色、そして鼻の穴の大きさが違います。
そして、一番大きな違いは、ただの土人形と土鈴であるということです。
この猫たち、鉢巻きの下から、顔の右に赤い布が垂れ下がっています。この垂れ下がったものが何を意味しているのか、ちょっとわかりません。鉢巻きの端ではない。
赤い鉢巻きは後ろで、ちゃんと結ばれています。
鉢巻き猫たちは昔からいるのでうろ覚えですが、浅草の「助六」から来たものではなかったかと思います。
と書いているうちに、合格猫が、少なくてももう1匹はいた気がしてきました。顔も思い出したのですが、見つかりません。3.11で棚から次々と落ちてずいぶん失われたので、その中の1匹だったのでしょう。
その代わり、こんな猫が見つかりました。
全然覚えがありません。
ただ、愛猫も合格猫と同じところでつくられたことは確かです。