息子が敬愛する、漫画家のみなもと太郎さんが先日お亡くなりになりました。
そのみなもとさんが絶賛していた絵本だと言って、『夢の江戸歌舞伎』(服部幸雄文、一ノ関圭絵、岩波書店、2001年)をプレゼントしてくれました。
歌舞伎研究家の服部さんが江戸時代の歌舞伎を絵で表すことを思い立ち、漫画家の一ノ関さんと8年の時間を費やして仕上げた力作です。
当時の文献などで、江戸の歌舞伎を知ることはできますが、視覚的に知ることができるのは、この本が初めてのようです。
一ノ関さんは服部さんから、「一枚の絵に観客、役者、裏方たちを千人描いてください」と言われ、歌舞伎を見て、小屋の構造を調べて、いろいろな史跡を訪ねて、イメージを膨らませてきました。
と言っても私は、最初、パラパラッと見て、
「私はこの絵はあんまり好きじゃない」
と言ってしまいました。
「よく描けていると思うけれど、くせがなさすぎる」
しかし、見ているうちに前言を撤回しました。
例えばこの画面、歌舞伎開催の前の小屋の様子、大道具小道具の仕上げ、床山さん、衣装合わせなどなど、細部の細部まで、描き込まれています。
興業を前にして、役者さんたちが最後の稽古をさらっています。
興業の日、小屋の前にはたくさんの人が着飾って押し寄せました。
出を待つ役者たち。
興業を前にして、役者さんたちが最後の稽古をさらっています。
興業の日、小屋の前にはたくさんの人が着飾って押し寄せました。
出を待つ役者たち。
幕が開くとき。
当時の歌舞伎では、観客の頭上に橋をかけるとか、水を張る、宙づりになるなど、あっと驚く楽しみも用意されていたようですが、観客の上にどうやって橋を架けたのか、一ノ関さんは何度も描き直したそうです。
場面を動かすのもすべて手作業、花道からは役者がせりあがっています。
当時の歌舞伎では、観客の頭上に橋をかけるとか、水を張る、宙づりになるなど、あっと驚く楽しみも用意されていたようですが、観客の上にどうやって橋を架けたのか、一ノ関さんは何度も描き直したそうです。
場面を動かすのもすべて手作業、花道からは役者がせりあがっています。