
お茶筒を買ったのは、そのときが初めてでした。
それまで、お茶筒入りのお茶をいただいたり、夫の母が使っていたものがあったりで、買ったことがありませんでした。
開花堂のブリキのお茶筒です。大きい方は高さが六寸五分あります。
toki-sappさんも同じものを持っていたと、さがしてみたのですが、さがし方が悪くて、見つかりませんでした。

開花堂のお茶筒は、蓋を置くと、音もなく下がっていくと言われているのに、せっかちなので、いつも押しつけて閉めていました。
試しにやってみたらできました。それほど精巧にできています。
買ったのは、かさばるお菓子入れのためでした。
ひと袋が小さなガラスビンに入りきらない量や形のお菓子を、それまで大きなガラスジャーに入れていましたが、どれも重くて大きくて取り扱いが面倒だし、口も大きいので、密封性のいいビンはあまりありません。
しかし、お茶筒にお菓子を入れると、夫があまりにも頻繁に開け閉めするので、危険を感じて海苔入れに変更しました。お菓子はビンに戻しました。
夫は、自分の意思でその気になれば慎重に行動しますが、たいていは、そもそもその気にならないので、なんでもちょっと乱暴に取り扱います。
海苔入れにして安心していたある日、ふと気がつくと、缶の表面が汚れていました。
「ひえぇぇっ」
拭いても、取れません。浅く錆びています。
犯人は、もちろん夫でした。見ていると、ご飯に海苔を巻いて食べようと、ご飯粒だらけの手で開け閉めしています。
以後、食卓に座っている夫の手が容易に届かないところに、お茶筒を移してしまいました。

開花堂のお茶筒の小さい方にはお茶を入れています。いい具合です。

夫の母が使っていた、桜の樹皮を貼ったお茶筒です。ほうじ茶を入れています。
これも密封性は高いと思いますが、開花堂のお茶筒にはかなわないようです。

母のところから、煮干入りできた煮干筒です。
私は煮干を冷蔵庫に入れていましたが、ブリキ缶でもいいのかと、真似してみたらすぐにかびてしまいました。どうやら、昔の煮干は、もっとからからに干していたようです。
これは母が、買ったものなのか、それともいただいた煮干が入っていた缶なのか、聞きそびれましたが、このどぎつい赤一色が、私はとても気に入っています。

お茶筒は買ったことがないと書きましたが、この錆びたブリキ缶は、ずいぶん前に、
アンティーク・タミゼで買ったものです。
種でも入れようかと買ったものですが、大きすぎてなかなか使えません。缶は遊んでいます。

このごろは、ポットに熱いルイボス・ティーをつくって置いて、飲んでいますが、カンボジアに住んでいたころは、ヴェトナム茶を煮出して、土瓶に入れておいて飲んでいました。
その、ヴェトナム茶が入っていた缶です。
素朴な形が好きで、一つだけ残しておきました。ピカピカに光っていましたが、だんだんしっとりしてきました。今でも中国茶を入れています。
