楕円形の小箱

カンボジアには、銅版打ち出しの、楕円形の箱もあります。




すとんとつくると、ありきたりの箱になりますが、蓋に段をつけることで、一気にカンボジアらしさが出てきます。




蓋は、一枚の銅版でつくってありますが、身の方は、底に別の板を足しています。
側面は、細長い銅板を楕円形に形づくってつなげたものですが、外から見るとつないだ痕跡がまったく見えません。ただ、内側から見ると、あるかなきかの筋が、かすかに見えます。




上の箱より小さめの、蓋に装飾のある箱です。




こちらは、蓋同様、身も一枚の銅版から打ち出したものです。
一枚の銅版を叩いて形づくるにも技術がいりますが、貼り合わせてつくるにも技術がいります。

一枚の銅版を叩いてつくる方が少しだけ簡単に思えますが、材料である銅版を無駄にしないで使うなら、貼り合わせてつくる方に軍配が上がるでしょう。




木の箱と、銅版の箱との大きさの比較です。
小さい、打ち出しの箱には、やはり刻みタバコなど、嗜好品を入れていたのでしょうか。